ーOOO-サントリー白州蒸溜所へ行ってきた

 
 先日、サントリーさんのブロガー向けイベント募集に応募したら、ワタクシ見事に当選しまして。
 で、土曜日は山梨県にあるサントリー白州蒸溜所へ行ってまいりました。
白州蒸溜所(工場) 工場へ行こう サントリー
 今回はシングルモルト探求セミナー「時が育むシングルモルトの魅力講座」ということで、ウイスキー工場見学と、テイスティング講座を受講しました。
 ということで、軽くレポートを。
 (以下写真盛りだくさんで、ちょっとページが重いです)



1本の「南アルプス天然水」


 特別ご招待のバスに乗車するときに、サントリーの方に「こちらをどうぞ」と、南アルプス天然水のペットボトルを一本いただきました。道中バスの中ではノドが渇くから、気が利いてますな、いたれりつくせりですな… などと思っていたら、この南アルプス天然水には深い意味があったのです。
 「さきほどお渡しした南アルプス天然水ですが、今回の目的地の白州蒸溜所で作られているんですねー。この美味しい水が、ウイスキーを作る上で非常に重要なわけなのです。」
 ってか、ウイスキーの仕込みに使うような水を、ワレワレは「南アルプス天然水」として何気なく飲んでたってことなのかー、と驚きました。


 
 中央道を小淵沢で降り、アルプスの山々を眺めつつ


 
 特別ご招待のワレワレを乗せたバスは白州蒸溜所に到着。
 (通常は工場まで直接向かうバスはありません→(参考))


 
 工場は森と一体となり、いわゆる工場らしさは感じさせられません。
 ワタシは花粉症なのに、工場内ではクシャミは出ませんでした。これは周囲が杉林では無いからで、この工場の周辺がキチンと手入れをされた山や森に囲まれていることを示している、と言えるのではないでしょうか?


 
 これが工場内の道路。左右の工場を包み隠すような森は自然保護区となっていて、バードサンクチュアリになっています。
「いわゆる工場らしさが無いって言うか、自然と一体って感じですよねー」
とワタシが言ったら、広報の方は
「ええ、ですからわたしたちは(工場とは呼ばないで)『 森 』と呼んでいます」


 
 これは場内のウイスキー博物館の建物。
 道すがら、広報の方が
「いやー、スゴいねぇ」
「社員なのに、なかなかここまで来ないからねぇ」
「いっつも写真で見てるハズなんだけど、『うわー! ホンモノだー!』 みたいな感じ、あるよねー」
とか言って笑ってました。



そして工場見学


 
 昼食をすませると、ワレワレはさっそく工場見学へ。


 
 上は仕込み工程の機械。
 原料の麦芽を砕き、デンプンを透過させ、濾過します。


 
 上は発酵槽。ここでは麦芽酵母を加え、3日間発酵させます。
 巨大すぎて下まで写ってませんが、この木桶全体の高さは4.7メートルもあるのだそうです。


 
 発酵2日目の発酵槽の内部の様子が見えました。モロモロでアワアワになった麦汁が、ゆっくりと攪拌されています。
 サントリー白州蒸溜所では木桶を使うことで、蒸溜所の森の中に棲みつく自然の乳酸菌の働きを生かし、ウイスキーに豊かな味わいを与えているのだそうです。



 
 蒸溜するためのポットスチル。(この日は稼働していませんでした。残念!)
 写真左手の釜が初溜、右側の釜が再溜…と、2回蒸溜を行ないます。形の違う釜を使い分けることで、個性豊かなウイスキーを作り分けているのだそうです。
 赤銅色に光り輝き、実に美しいですね。


 話はそれますが、ワタシは和菓子屋で銅の釜を使ってアンコを練っています。だから、銅釜をピカピカに光らせて保ち続けるのがいかに大変かが良くわかります。
 食品を扱う道具だから、クリアーの塗装をしてハイおしまいってわけにはいかない。使いながら絶えず磨き続けなければならない。
 使い続けている道具が磨き抜かれて得られた美しさ、素晴らしいと思いました。



樽の焼き入れ …「リチャー」


 ここでワレワレは場所を移動して、リチャーと呼ばれる工程を見学しました。ちなみにコレは通常の見学コースとは違うかもしれないらしいです(未確認)。
 ウイスキーを貯蔵しておいた樽が古くなると、熟成させる力が弱くなります。そこで樽の内側を炎で焼き樽の力をよみがえらせます。
 樽の古くなった部分が焼けるという効果の他に、焼くことによって樽の木に細かいひび割れが出来る効果が得られ、熟成に深みを出すのです、とのこと。
 
 すでに樽の内側に火が走っています。青い炎なのでウチのカメラでは捕らえられませんでした。
 この青い炎は、樽にしみこんだアルコール成分が燃えているときの炎です。


 
 アルコール成分が燃え尽きると、やがて炎は赤く、強くなります。


 
 どんどんどんどん炎が大きくなってきました。


 
 炎が高く強くまぶしくなり、最前列で見ていると熱気を感じるほどです。
 この炎をどうやって消すかというと、職人さんが水をひしゃくに一杯汲んで持ってきて…


 
 樽の中に「バシャッ!」と一発!


 
 あっという間に火は消えてしまいました。
 あんなスゴい炎がたった一杯のひしゃくの水で消えたのは、水が樽の中で水蒸気にかわり、樽の中の酸素が無くなることで火が消えるのだとか。


 
 樽の内側から立ち上る煙からは、甘いウイスキーの香りが漂ってきます。
 内側を漕がして真っ黒な状態になっていますが、樽は洗浄せずにこのまま原酒を詰めるのだとか。樽の内側は炭に覆われた状態なので、この炭の部分による浄化効果を生かしたいのだそうです。



撮影禁止の貯蔵庫へ

 通常は撮影禁止の貯蔵庫ですが、今回はサントリーさんのご厚意で、ワレワレに特別に撮影許可が降りました。
 
 ところでこの場所が撮影禁止なのは、一説には「カメラのフラッシュが火気にあたるから」だ、とかなんとか。ウイスキーの貯蔵庫だから、火気厳禁ですよねぇ。
 とにかく、今回ワレワレは特別ですから。
 気合いを入れて、キチンとカメラに納めようと思いました。


 
 ずらん、ずらんとウイスキーの樽、樽、樽。
 ここ白州蒸溜所の創業当時の樽から、ごく最近の樽まで。様々な樽が並んでいます。


 
 足下をのぞき込むと、遙か下までタルが並んでいます。


 
 と、このへんでカメラのバッテリーが切れて、フラッシュが焚けなくなりました。
 予備の電池は持ってきたけど、カバンごとバスの中に置いてある! あちゃー、大失敗だ!


 
 奥の奥の貴重な樽は、写せずじまいでした。なんつーか、肝心なときに失敗するよなー、オレ…。


 ところでこの白州蒸留所では、この原酒を1樽まるごと買うことが出来るのだそうです。
(→オーナーズカスクについて - サントリー
 1樽買うことで、全く混じりっけなしのシングルモルトを楽しむことが出来ます。
 キチンと瓶に詰めた状態で届けられ、その量は樽の大きさによって100本から500本まで。値段は50万から3000万円くらいまで、だそうですが、
「あらかじめブレンダーが選んだ樽のなかから選ぶ事が出来るので、品質は保証付き。コレはお買い得ですよ、みなさんもいかがですか?」
と、工場の方がおっしゃってました。



次回予告!

 工場見学編を終えて、明日は怒濤の「テイスティング体験」編を書きまーす。
 また長々と書きますんでよろしくお願いしますです。
 ってか、今回は写真が多かったから記事が長く見えるだけだと思うんですよ。
 テイスティング体験中は激しく酔っぱらっているので、写真が極端に少なくなりますです。


ーOOO-6本のシングルモルトをくらべてみれば