ーOOO-日本のウイスキーが、世界一に!?

 
 5月14日の夜は、南青山にあるニッカウヰスキーさんの地下にある「ニッカ ブレンダーズ・バー」にお邪魔して、シングルモルト余市・ブロガーミーティングに参加してきました。

 
 これは、ニッカの「シングルモルト余市1987」が、「ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)」の”ワールド・ベスト・シングルモルト”を受賞したことを記念した試飲会イベントです。
 ムーディーなオトナっぽいバーの中で、フラッシュをたかずにバシバシ写真を撮っていたら、ピンぼけな写真を量産してしまいました。大失敗です…。
 
 せっかくの商品の写真なのに、あああ。


 さて、ウイスキーの世界一ってどういうことなんでしょう?
 そしてそれを作り出す苦労って、どんなものなのでしょう?
 ニッカのチーフブレンダー、久光哲司さんからお話をうかがいました。
 
 ワタシの写真の中で、久光さんの顔が一番マトモに撮れてる写真がこちらです。
 ご自分が作った自慢の余市をグラスに入れて、うれしそうに香りを楽しんでおられるところです。
 限定品なので、ご自分でもネットで予約して一本購入したのだそうですよ。(この話はまたあとで

そもそも、ワールド・ウイスキー・アワードって?

 さて、そもそもワールド・ウイスキー・アワード(WWA)って、どんな賞なんでしょうか?

  • 英の「ウイスキーマガジン」が主催する、ウイスキーのためだけの唯一のコンペティション
  • エントリーについて
    • 正式な蒸溜所が作ったオフィシャルボトルのみに限られる。
    • 2007年3月1日時点に市場で販売されている製品であること。
  • 審査について
    • ブラインドテイスティングによる3回の審査。
    • 審査員はジャーナリスト、小売業者、ディスティラー、ウイスキー専門家など各国で構成される。

 より詳しくは、以下のリンク先をご覧ください。

 ワールドベストシングルモルトの決定にあたっては、1次審査では、スペイサイド・ハイランド・アイランズ・ノンピートアイラ・ピーテッドアイラ・アイリッシュ・ジャパニーズ・アザーズの8つのカテゴリ別、それぞれの熟成年度別にウイスキーが選ばれます。
 2次審査では、8つのカテゴリ別のベストが選ばれます。
 最終審査で、その8つのウイスキーの中からベストが選ばれるのです。
 

”Oh,no! 日本のウイスキーが世界一に選ばれた!

 司会進行役の徳力さんは、こう言います。
「久光さんはなんでもないように話を進めますけど、今回の受賞は大変なことですよね。だって、まず最初の8つのカテゴリ分けの中で、5つはスコットランドですから、もう他の国には賞はやらないぞって言う感じがしますよね」
「日本のウイスキーWWAを取るって言うのは、外国人力士が横綱になって優勝するのに似たような感じがあるんじゃないでしょうか?」
「中でも、”ワールド・ベスト・シングルモルト”っていうのは、アカデミー賞で言うと主演男優賞とか、最優秀作品賞とか、そう言う感じのホントにホントにスゴい賞なんじゃないでしょうか」


 さて、ここでTimesの記事から、英国での反応を見てみましょう。(→元記事はこちら

 英国産ワイン同様、「本物ではない」として長い間冗談の種にされていた日本産ウイスキーが、スコットランドのライバル達を抜いて世界一に選ばれ、居並ぶ評論家を唸らせた。
 (略)
 かつてはウイスキー・テイスターからジョークの種にされていた日本産ウイスキーのダブル受賞はまさに歴史的快挙で、スコットランドで大きな驚きが広がっている。ゲール語で「命の水」を意味するウイスキーは、バグパイプ、キルト、ハギス(羊の腸を使った詰め物)とともに、スコットランド文化の象徴だからだ。
 (以下略)

The TIMES(英) 08/04/27

 こちらの新聞記事のイラストは、スコットランドの人々のショックを表わしてますね。
 久光さんは、授賞式の時のことをこう語ります。
「発表の瞬間、向こうの人たちがシラケたような、そんな感じがありましたね」
「コングラチュレーションと言ってくれたのは、インドの人だけでした」


 世界一のウイスキー、と聞いて「へー、すごーい!」程度にしか思ってなかったワタシですが、その「世界一」という看板の重さが伝わってくるようなエピソードでした。

次回予告

 さてさて、ではそのWWAシングルモルト世界一の「シングルモルト余市1987」って、どんなウイスキーだったんでしょうか? そのテイスティングの模様はまた次回と言うことで。