ーOOO-ジャケ買いとか、するよね?

 昨日のタワレコのリコメンドの話と関係あるような無いような話になるんだけど、
「ジャケット見てピンと来て買っちゃうみたいな」
「そういうふうな「ピン」とくるカンがよくわからないんですよねー」
という会話がイベントの中であったことを思い出したので、ちょっと自分の思うところを書いてみる。


 自分がバリバリ読書家だったときは、本はジャケ買いしてたよなーと思った。
 ってか、みなさんジャケ買いとかしませんか? それを衝動買いとよんでもいいんだけど。
 ジャケ買い、するよねー? 逆に「わかんない」って言われる方がわかんないッスよ。
 で、「アレはどういう感覚だったんだろう?」というのを自分の場合を思い出して書き出してみる。


 書籍の場合のジャケ買いというのは、著者名によらない。いつもひいきの作家さんが出した本を買っちゃうのは衝動買いというか、押さえとくという感じか。それはジャケ買いと違う。
 まずはタイトル勝負。無名の著者であっても、タイトルが面白そうなら面白い本だ。たぶん。
 そして表紙と背表紙だ。
 それから、パッと開いたときの紙質、活字、行間のバランス。
 1行も読まなくたって、パッと手に取った瞬間に「コレは好みだなー」という匂いがするものだ。


 この「背表紙、表紙」というのは装丁家の仕事だ。ワタシが好きなのは祖父江慎さん、鈴木成一さん、南伸坊さん。あと、新潮社装丁室。わかる人にはなんとなく傾向が見えるのではないでしょうか?
 で、思うに、作家さんや編集者さんが「この人に装丁してもらいたい!」と思う段階で、その本の傾向や読まれたい読者層は、ある程度絞られているのではないでしょうか。
 それから、装丁家はその作品を深く読み込んでから装丁するのだから、「これはこんな作品だ!」というメッセージが、装丁には濃厚に込めれるものなのだ。
 だから、ジャケ買いしてもそんなに外さないものだと思う。


 行きつけの本屋を作ることも、ジャケ買いには大事な要素だ。
 行きつけの本屋に平積んである本の、昨日と今日の変化をパッと見る。どれが新刊か? 根強い人気なのはどれか? そーいうのが、行きつけの本屋さんのタナを見ればパッとわかる。
 平積みじゃない本でも、文庫の背表紙をずーっと見ていると変化に気がつくことがある。何かが新しく刺さっていたり、抜けていたり。毎日見ているとそれが目に引っかかるようになってくる。パッと飛び込んでくる。
 だから、あんまりタナをいじりすぎる店は好きじゃない。いじらなすぎる店も好きじゃない。
 定期観測しやすい行きつけの本屋さんを作ることが大事です。
 そんなことをやっていると、ヨソの本屋さんに行ったときには新刊旧刊に限らず「いつもの近所の本屋さんに置いてない本」がバシバシ目に飛び込んでくる。それをどんどんチェックしていく。


 自分の場合の「本のジャケ買い」はそういう感じだったなー、という話。


 さてさて。
 みんなジャケ買いとか衝動買いとか、しますよね?
 読者のみなさんの場合は、どんなときにジャケ買いするんでしょうか?
 数値化やパラメーター化はしにくいかもしれないけれど、
「生魚を買うときは黒目のまわりが透明だと新鮮だよ。赤っぽくって濁ってるとイキが悪いよね」
程度の感覚で、みんなで気軽にジャケ買いの極意を共有できると、読書生活が広がって楽しいのではないでしょうか? よかったらお教えくださいね。