ーOOO-ロッテリアの「絶妙ハンバーガー」には100円バーガーの3.6倍の価値があるのか?

 マクドナルドの従業員は「クルー」って言うけど、ロッテリアの従業員は「メイト」っていうらしいぜ。これ豆知識な。
 おっと、「メイド」と読み間違えちゃいけないぜ。あくまでも「メイト」だから注意しな。
ロッテリアの従業員はメイドさんだから、つまりメイド喫茶って事!? ってことは、メイドさん大集合じゃないッスか! じゃあ、男性従業員はなんて呼ぶのかな… もしかして、執事さん?」
 とかテキトーな記事を書こうとしてるヤツは、腹を切って死んだ方がいいな。


 ぐはぁ!(←腹を切って詫びたつもりらしい)


 さて、なんでロッテリアの話かというと、7月16日から発売になるロッテリアの新製品「絶妙ハンバーガー」の発表会にお邪魔してきたからなのですよ。

 何かっつーとコストダウン、売る側も買う側も安い物を求めてしまうご時世に、ロッテリアさんは360円もする新製品「絶妙ハンバーガー」を投入すると言うじゃありませんか。
 さて、360円の絶妙ハンバーガーには、100円バーガーの3.6倍の価値があるのでしょうか?
 
 左が新製品の絶妙ハンバーガー、右が通常のハンバーガーです。
 見るからにデカさが…というか、厚みが倍ちがいますね。

 袋を開けると違いがはっきりわかります。
 100円バーガーはパティがバンズに隠れちゃってます。
 絶妙バーガーは大ぶりのシャキシャキレタスがはみ出ています。


 ところでレタスがシャキシャキなのは、素材のレタスが玉の状態でお店に送られて、店頭で手割りにして使っているからなのです。

 レタスの山に隠れていましたが、絶妙バーガーのパティはバンズとほぼ同じ直径。結構大きいですね。
 あと、バンズの焼き色が違いますよね? それだけではなくて、バンズの生地も全く違う物になっているそうです。


 バンズをずらして、中身が比較しやすくしてみました。
 100円バーガーの具材は、パティのみ。とにかくシンプルです。
 絶妙バーガーはパティ、レタス、オニオン、トマト。



 真横から見るとパティの厚みが倍くらい違うのがわかりますね。
 パティの質感の違い、見てわかりますか?
 100円バーガーではお肉を直径2〜3ミリに細かくミンチしています。
 絶妙バーガーは、超粗挽きの12ミリにミンチ。

 お肉の質感にとにかくこだわりたくて、絶妙バーガーは粗挽きにしたのだそうです。
 細かいミンチを使うと、とにかくドロドロになってしまうので味も歯ごたえも均一化してしまいます。
 粗挽きならば、お肉の各部分の風味がはっきりわかります。このことは逆に、悪い部分を使ったこともハッキリわかる、ということになってしまいます。
 ということで今回の絶妙バーガーのパティでは、お肉の各部分の配合具合にこだわっているのだそうです。
 
 このほかにも語り尽くせぬ様々な工夫が凝らされているのが、この絶妙ハンバーガーなのです。
 ではいったい、絶妙ハンバーガーはどんな味なのでしょうか?
 がぶりっ!

 パッとクチに広がるのは、バンズの香ばしさです。焼きたてパンの香ばしさがします。
 使われている粉も高級なのだそうですが、中に酒種が練り込んであるのでちょっとあんパンの生地みたいな香りがします。


 続いてパティ。食べた瞬間に感じる脂っこさやジューシー感は薄いです。
 じゃぁパサパサなのか?
 いえいえ、そうではありません。荒く挽かれた肉の小さな固まり一粒一粒の中に、ギュッと肉汁が詰まっています。それぞれの肉の香りや食感が異なっているのがわかります。臭みやイヤな香りはありません。
 ふだんワタシは「手に持った瞬間に油で手がベタベタ」「噛むと汁がドバドバ出てきてクチの周りも手もベタベタで大変」みたいなハンバーガーを食べていますし、そういうハンバーガーが好きです。だから最初は「ちょっとパサパサ?」と思ったんですが、絶妙バーガーではそうではない種類のおいしさを提案している事に気がつきました。


 パティからは、塩の味やコショウの香りを強く感じることが出来ます。
 通常、品質のバラツキを無くすために、パティには塩やコショウが練り込んであることが多いそうです。これは他社でもそうなのだそうです。しかしこれだと保存中にお肉がどんどん縮んできてしまいます。
 しかし今回の絶妙バーガーでは混ぜ込んでありません。焼きながら塩やコショウをふっています。このため、肉本来の味を楽しむことが出来るのです。


 そして野菜のシャキシャキ感。
 さきほどレタスがシャキシャキな理由を話しましたが、コレだけではないんです。
 オニオンもまた玉の状態で店に配送され、使う前にスライスするのだそうです。シャキシャキ感が良いだけでなく、風味が全く違います。辛いけどツーンとこないし、ほんのり甘みのあるタマネギです。


 ロッテリアさんが今回目指したのは「トータルなバランス」なのだそうです。
 たとえば、各部分に超高級な最高の素材を使ったとしても、それで美味しいハンバーガーが出来るわけではありません。目標は「美味しいハンバーガー」で、コレを目指すために各素材を厳選したのだそうです。
 絶妙バーガーは、がぶっと食べても手がベタベタしない。
 それは、パティから下品に肉汁がこぼれないから。
 トマトが水っぽくないから。
 ソースが最小限に使われているから。
 それらがバランス良く組み合わさって、がぶっと食べても手がベタベタしないハンバーガーになっているのでした。
 また今回この商品を作るに当たって、ロッテリアさんはマーケットリサーチは行わなかったそうです。このため、絶妙バーガーはちょっとヨソにはない感じのハンバーガーに仕上がっています。


 さてさて、360円の絶妙ハンバーガーには、100円バーガーの3.6倍の価値があるのでしょうか?
 絶妙ハンバーガーは100円バーガーと比べると、見た目で厚みが倍あります。さらに厚みが倍で直径が少し大きいパティ、新鮮なレタスなどの野菜が追加… ということで、3.6倍の価格差には納得がいくのではないでしょうか。


 しかしロッテリアさん曰く、
「このハンバーガーは本来、2000円くらいになってしまう商品だったのを、360円にしたんですよ」
 ええええっ?
 しかも、クオリティを落とすとかそういうことなしに、ソレを達成したのだそうです。
 それはいったい、どうやって?
 そういう話を含めて、ロッテリアさんの「絶妙ハンバーガー」開発秘話は次回へと続きます。