ーOOO-笑顔を無くした日
ここ最近、虫歯がひどくなったような気がするなーと思いながら、ちょっと放置していた。
痛くはないんだけど、なんだか気になったので、鏡に向かって「イーっ」てやったら、なんか、歯が黒ずんでるんですけど…。
うひゃー!
歯が、歯が!
虫歯が悪化して、恐ろしいことに!
ふだん鏡を見たときには気がつかなかったのだが、歯をイーッとやったり、笑ったりすると、虫歯で茶色くなっている部分が丸見えなのだった。うう、コレは恥ずかしい…。
いつからなんだろう? もう人前では笑えない…。
「ふふふふふ、センパイ、これは、ドクターですね…」
後輩くんがニヤニヤしながら言います。
「そういえば、ボクがこないだ歯医者に行ったら、なんかガーッと削って詰め物して、その日のウチに一発で治っちゃいましたよ。だから、センパイも早く…」
うるさいわい!
あきらかにそんなチャチイ虫歯じゃない、治療するとすげえ痛い虫歯なんだッ!
うー、歯医者いきたくないな…。
いきたくないなー…。
歯医者、か…。
「いやいやセンパイ、センパイには選択の自由がありますから。行きたくないモノを無理に行けとはいいませんよ。行かなければいいじゃないですか。ただ、行くならなるべく早いほうが…」
じゃあ行かない!
行きたくない!
いきたくないなー…。
歯医者、か…。
でも治さないと。
うっかり笑ったときにカッコ悪いのはイヤだ。
ずーっと笑わないで過ごしていくのもイヤだ。
やむなく、会社帰りに歯医者さんへ。
アポなしで、しかも痛みの自覚症状がないと言うことで、診察は後回しに。待合室で延々待たされる。
そして診察室へ。
待っているのはレントゲン撮影、麻酔注射。
麻酔が効くのを待ちながら、診療台の上でしょんぼりしながら街の灯りを眺めるのは、もの悲しい。ドナドナでも歌いたくなる。
このあと待ち受ける治療という名の惨劇を思うと、ほんとうにしょんぼりする。まったく笑えない。
そして、治療。
削って。
薬を詰めて。
すぐ固めて。
治療は、あっという間に終わった。
そらぁもう、あっけないほど簡単に終わって、拍子抜けした。
どれぐらい拍子抜けしたかというと、このブログに「歯医者に行く前の憂鬱な気持ちをなるべく丹念に書こう!」と心に決めていたのに、その憂鬱な気持ちがフッと消えて、書くのが難しくなってしまうくらい。
昔と比べて治療の技術は著しく進歩したなぁ、と思った。