ーOOO-辛味大根蕎麦の客
今日は「鬼平外伝 正月四日の客」という映画の試写会で、ちょっくら銀座に行ってきたですよ。
映画の試写会といっても、劇場公開作品ではなくてテレビ放映される作品で、この作品の制作はケーブルテレビの時代劇専門チャンネルというところと松竹株式会社さんなのでした。
ケーブルテレビで放映される作品なのに、劇場で試写会をやっちゃうなんて、すごいよねー?
んでもって試写会会場に入場30分前についた時には、なんだかもう長蛇の列ができていて、いやはやびっくり。試写会にくるお客さんって、ざっくり言って「なんとなくタダだから見に来る人」と、「誰よりも先にその作品が見たい人」の2つにわかれているもので。そのうちの「見たい!」っていうお客さんの熱気の強い作品だったんだなーと感じました。
お客さんの年齢層は高め。自分も若くないけれど、この中だとハナタレ小僧扱いされそうな。そんな年齢層の高さ。
舞台挨拶で主演の松平健さんが登場すると、場内ヒートアップ。わーお。ちょうすげえ。
んで、物語のさわりの部分だけ書いちゃいますけども。
物語は、柄本明が店主の小さな蕎麦屋が舞台です。
このお店では年に一回、正月四日になると信州の「さなだ蕎麦」を出すのが習わしでした。このさなだ蕎麦は、「ねずみ大根」の汁を使って辛味を効かせた蕎麦。舌がひんまがるような辛いつゆで、そばの味もなにもあったもんじゃない。この日ばかりはお店の常連客も寄り付きません。
そこにやってきたのは、松平健演じる主人公。辛い辛いさなだ蕎麦をぺろりと平らげ、
「来年、また来る」と言い残し、去っていくのです。
こうして二人は、年に一度の不思議な交流を続けていくのですが…。
いやーねぇ、もうとにかくワタシは、さなだ蕎麦が気になって気になって。
というのもワタシは、近所の蕎麦屋で「辛味大根蕎麦」というのを食べるのが好きだったから、なんですね。
太さも長さも親指くらいの辛味大根を山ほどすりおろし、そこにちょっぴり蕎麦つゆをたらして、この辛い辛いつゆで蕎麦を食べるのが、ホント旨いんですよ!
だから、「常連は辛いさなだ蕎麦を敬遠して…」というのが、台本通りなんだと知りつつ、納得行かないのだっ!
おい、貴様ら、江戸っ子だったら、どれだけ辛くても痩せ我慢して、涼しい顔して辛い蕎麦を食べてみやがれ! と、叫びたくて仕方がない。
そこにやってきたのが、マツケンだ。
柄本明の打つ、ちょっと黒っぽくってボソボソして太い感じの蕎麦。そば粉の荒々しい味と香りが、見ただけで伝わってくるような蕎麦。
それを、マツケンがいかにも美味そうに食べるのだ。
うんうん、美味しいよね。美味しいに決まってるよね。
池波正太郎作品は、原作の小説からして食べ物の描写が美味しそうなのですが、この映画でもキッチリと画面を通してその美味しさが伝わってくるような。
あー、もう。
あー、もう、たまらん!
なんか、映画見てたらおなかがすいてきちゃってさ…。
頭の中は蕎麦でいっぱい。
よし、試写会の帰り道は蕎麦を食べよう!
と思ったんだけど、銀座のお蕎麦屋さんは、立ち食い蕎麦みたいなお店をのぞいて、ほとんど日曜定休日なのね。
片手にスマホでグーグルマップ、もう片手には傘。行けども行けども定休日。雨はどんどん強くなる。
うおー。蕎麦、蕎麦、蕎麦!
と、松屋銀座にお蕎麦屋さんが入っていて、このお店には辛味大根蕎麦があった!
このお店では、お蕎麦の上に山盛りの辛味大根が乗っていて、その上にカイワレ大根がのせてあります。
濃い目の麺つゆを、大根おろしの白さが消えない程度にサーッとかけ回して。
辛い! 辛いぞ! むふふのふ。
いやー、辛味大根蕎麦は美味しいよねぇ♪
あらためて再確認したワタクシだったのでした。ごちそうさまでした。