ーOOO-牛丼とスキマ風
近所の牛丼屋の自動ドアは、スキマ風で「ビョー」とうなっている。
自動ドアが開くと音が止むのだが。着席する頃には自動ドアが閉まり、また「ビョー」とうなりだす。
牛丼を待っているあいだも、食べているあいだも「ビョー」と耳障りな音がして、なんだか落ち着かない。
すぐ近所に別な牛丼チェーン店があるのだが、このお店も自動ドアから「ビョー」と音がするのだった。
このスキマ風のうなりを止めるには、
1)自動ドアのスキマをへらして、ピッタリさせる
2)どこかに空気取り入れの穴をあける(窓を開ける等々)
といった対策が考えられる。
これはオイラが思いつく程度のことだから、他のお客さん…というかこういう場所に来がちなガテン系の大工さんなら、もっと良い対策を提案出来ることだろう。
だが現実には、いまだにそのスキマ風は鳴り止まないのだった。
しかし思えば、自動ドアが閉まっているときはスキマ風のうなりが聞こえる、なんていうのは他のお店で記憶がない。
ひょっとすると、このスキマ風の音が鳴り続けている、というのはワザとなのかもしれない。
スターバックスあたりだと、お客さんの居心地の良い空間を作ることを心がけているらしいけれど、聞いた話ではお客さん一人あたりの平均滞在時間は1時間くらいになるらしい。
牛丼屋さんの場合、お客さんに居心地良く長居してもらったのでは困るのだ。
食べたらサッと帰って欲しい。
とするなら、自動ドアのスキマ風の音が常に耳障りな空間というのは、「居心地が悪いからすぐに帰りたくなる」という気持ちを引き起こさせる仕掛けなのに違いなかった。