ーOOO-4時間耐久レース、ということ

 ということで、こないだ筑波サーキットで行われたロードスター4時間耐久レースのオハナシの続きなのじゃよ。
 へなちょこなワタクシががんばってPentaxQ7で流し撮りにチャレンジしてきたので、ご笑覧あれ。

 このレースでは自動車関連の雑誌、番組、Web媒体の人たちがあつまって、メディア対抗のレースが行われます。
 出場車両はすべて無改造のマツダロードスターと言うことで、ウデの差で勝負が決まります。
 で各媒体、助っ人のプロレーサーや自動車評論家に声をかけてチームを結成するわけですが。このときプロのレーサーが多いチームにはハンデとして数分程度のピットストップが課せられます。
 各チーム、燃料の量は一定です。これによって、「とにかくスピードを出しゃぁ良い」のではなくて、4時間のレース中、燃料を節約するような走りが求められます。さらに戦略として、チームのもっとも上手いヒトが燃料をたくさん使えるように、燃費走行に徹する係といった役割分担が行われます。
 耐久レースの奥深さが見えてきたでしょうか?


 ますは各車ピットを飛び出して、サーキットを一周する「フォーメーションラップ」が行われます。
 各車ゆっくりと走りながら、新品のタイヤの表面の皮をむき、タイヤの温度を上げ、スターティンググリッドにつく前にすこしでもタイヤのグリップを高めておかなければなりません。

 と、ココでアクシデント。
 CarWatchロードスターが、なぜかエンジンがかからず、ピットから走り出すことが出来ません。お昼頃の予選ではキチンと動いていたのに…。
 CarWatchチームのピットは騒然。
 しかしこのあと、無事にエンジンがかかり、クルマを送り出すことが出来ました。
 スタートの前からレースは始まっているのです。


 
 そしてスターティンググリッドから、レースはスタート。
 
 同じ車種が同じ条件で走っているはずなのに、それぞれのテクニックや作戦によって、どんどん差が開いていきます。
 昨年度覇者のティーポ・デイトナロードスター
 前年度優勝チームにはハンデが与えられるので、今年は苦しい戦いを強いられています。予選4位。

 今年度初参加のポテンザJWAVEロードスター、予選3位。
 チームリーダーのピストン西沢さんいわく「ドライバーをかきあつめてチームを作ったら、ピットクルーがいないことに気が付いたので、さっき会場であわててメンバーを集めた」とのこと。

 人馬一体ロードスターは、マツダロードスター開発者たちによって結成されたチームです。「開発本部長」とか、なんだかすごい肩書きの人たちが真剣に走っています。予選10位。

 レース中にアクシデントが発生すると、コースにはセイフティーカーが投入されます。
 安全のため、セイフティーカーはゆっくりと走ります。また、このクルマを追い抜くことは禁止ですし、レースカー同士も追い越し禁止の状態になります。

 セイフティーカー走行中のタイミングでは、各チームのピットイン、給油、ドライバーチェンジなどが行われることが多いのです。アクシデントの発生は、勝負の駆け引きを左右します。
 この日は2度セイフティーカーが投入され、荒れ模様のレースとなりました。
 
 雨が降ったり、やんだり。
 レースは残り1時間、夕方に始まったレースは、いつしか夜に突入していました。
 トップを行くのはゼッケン50番、CGロードスター。予選9番手からの快進撃です。

 
 ゼッケン25番、GOGOカーボくんロードスターは、リクルートカーセンサーのチーム。
 よく見ると運転席側のサイドミラーが壊れていて、あわててガムテープで補修した状態で走っています。
 4時間耐久レースも残り少し、各チームは疲労の限界に近づきつつあります。


 そしていよいよ、ゴール!
 
 レース開始から4時間後、栄光のチェッカーフラッグを受けたのはゼッケン813番、ポテンザJWAVEロードスターでした。
 このとき前を走るマツダチームの人馬一体ロードスター号は、トップから2週遅れだったのですが、チームとしては過去最高位の9位に入賞しました。
 レースを終えたクルマが、続々とピットの前に戻ってきます。
 各チーム、喜びの歓声。思い思いに互いの健闘をたたえあっています。

 前年1位だったティーポ・デイトナロードスターは、最後の最後でガス欠で止まってしまうハプニングが。メンバー総出でクルマを押していました。
 しかし、これで来年はハンデタイムが甘くなるはず。長い目で見ると、これも優勝を狙うための作戦なのかもしれません。

 
 戦い済んで、表彰式。
 1位から6位のチームが壇上に上がって、最後のシャンパンファイト。
 シャンパンを配っている最中に、
「ポン!」
「あれっ、栓が抜けちゃったんだけど?」
「栓が抜けちゃった方、まだ始めないでください」
「ポン!」「ポン!」
「全員に配るまで、はじめないでください」
「ポン!」「ポン!」
「もういいや、はじめちゃえー!」
 
 ぐだぐだにシャンパンファイトが始まっちゃったのですが。
 しかしその顔はみんな笑顔、笑顔。
 編集者さんは裏方だから、こういうふうにたくさんの人の前に顔を出すこともないんだろうな。いや、うれしいよね。
 しかも、クルマのレースで勝っちゃって、表彰台の上なんだもんね。そりゃあうれしいよね。
 いい年をした大人が満面の笑みをうかべてはしゃいでる様子に、こちらもニコニコしてしまった夜だったのでした。