ーOOO-賽とか匙とか

 こないだの休日は科学館に行ってきたワタクシですよ。こんにちは。
 この科学館は子供の情操教育や科学教育を目的に設立されたと思われるのですが、こちとらオトナの暇つぶし。親子連れの隙間をぬって、一人であちこち触りまくって、キャッホーとか言いまくるわけです。


 んで、私が興味をひいたのは、サイコロを振るマシーン。
 ボタンを押すと3個のサイコロが同時に回転し、出た目を自動で集計し、「本日のサイコロの出目の確率」とともに、「この科学館設立以来のサイコロの出目の確率」を表示するわけです。面白かろ?
 サイコロの出目は、6分の1の確率である…というのは、あくまでも期待値であって、実際にはビミョーなブレが生じるはずだと常々思っていたワタクシ。
 で、実際その出目にはビミョーなブレがあった。
 サイコロの出目の確率は、6分の1ではなかった!
 びっくりするやろ?
 で、その模様を写真に収めるべく、オイラはサイコロを、振った!
 賽は、投げられた!
 コロコロコロ…
 …コロリ。
 出た目は、1,1,5!
 さあ、この目の出る期待値と、実際の現在までの出現確率の差異は…?
 と、ここで、コンピューターが
 「今回のサイコロの目は、1,2,5ですね?」
 とか判定しやがる。
 ええええっ!?
 このマシーンは、実物のサイコロが振られた様子をカメラで撮影し、画像認識でサイコロの出目を判定しているのですが。しかしその判定ルーチンに何らかの狂いがあり、サイコロの出目を誤認してしまったらしい。
 この誤判定の原因は、カメラのレンズなのか?
 画像処理エンジンなのか?
 はたまた、サイコロの汚れなのか?
 しかしとにかく何事もなかったように、「今回のサイコロの目は、1,2,5なので、その目の本日の出現確率は…。そして当館の開館以来の出現確率は…」とか実験は進んじゃっている。


 オイラは考えた。
 この機器の何らかのトラブルが、実験結果に大きな影響を及ぼしているらしい、ということに。
 この科学館創立以来の大実験。そのサイコロの出目の偏りは、機器のトラブルによって引き起こされていた!
 オレは立ち上がった!
 左右を見て、係員さんを探した!
 そして、この科学実験の機器の不備を教えてあげたかった!
 しかし今日は休日。係員さんは何か、あっちこっち遠くで子供たちの対応をしている様子だった。
 オロオロしているオイラの手元のサイコロマシーンを、やってきた子供がボタンを押して動かしてしまった!
 ああっ!
 コロコロコロ…
 …コロリ。
 先ほどとは全く違う出目。
 そして、今回のマシーンはサイコロの出目を正常に認識して、今回の実験は無事に終了した。


 あれっ、おかしいな?
 っていうか、おかしくないんだけど。いいんだけど。
 で、その後何回かサイコロを投げてみたんだけど、エラーは発生せず。
 うーん? まあ、目くじら立てるようなことでも、ないかぁ?
 この実験マシーンのサイコロの出目の偏りは、機器のトラブルによって引き起こされているんではないかなーと思いつつ、再現性もないし、指摘しても意味がない気もしてきたし。
 なんとなーく匙を投げて帰ってきた拙者なのであった。