ーOOO-「ヤセたければ、塩を控えろ!」

 あれはスポーツクラブでのこと。
 気持ちよく大汗をかいて、体重計に乗るワタクシ。その針は毎回、上がったり下がったり。
 そこにやってきたインストラクターさん。
「どうですか、体重のほうは?」
 あ、2ヶ月に1キロくらいずつ落ちているというか…。
「そうですねぇ、運動で体重を落とすのは難しいですよねぇ」
 は?
「あなたぐらいの体重だと、食事から考えたほうがいいですね」
 はぁ?
「たとえばランニングマシーンで30分走っても、おにぎり1個分くらいしかカロリーを消費しないじゃないですか?だけど、菓子パン一個でそれ以上のカロリーを食べちゃったりするわけですよ」
 ああ、はあ。
「ですからね、ダイエットには運動するより、食事ですね」
 そういって、にっこり笑ったのだった。


 しかしね、それを大汗をかいて運動した直後のスポーツクラブの会員に言うかね、キミは?
 つまり「運動なんかムダだよッ!」
 「こんなスポーツクラブに通ってねえで、食事制限しろや」って言ってる?
 クソッ、こんなスポーツクラブ辞めてやろうか…チクショウ!


 ところで、お話は変わりまして。
 今日は通院日だったのです。
 ワタクシ、血圧が高めですんで、ええ。
 最初に通院したときに「血圧が高いとか、腰痛とか、そういうのは体重を落とせばかなり改善されるんですよ」とセンセイに言われ、それいらい地味にダイエットに励んでいるワタクシです。
「どうですか体重のほうは?」
 あ、2ヶ月に1キロくらいずつ落ちているというか…。
「おっ、ムリのないペースで、良い感じで落ちてますねぇ」
 はあ、まあ。
「ところで、減塩とか気にしてますか?」
 あ。気にはなるけど意識してないっていうか…。
「ちょっと意識して、塩を減らしてみましょう。体重がグッと落ちやすくなりますよ」
 は?
「身体の中の塩分が少なくなると、水が外に出やすくなるというか。塩が水を蓄える力があるというか、浸透圧というか。ま、ざっくりいって、塩を減らすと水太り状態から抜けやすくなるんですね」
 はー。


 スポーツクラブのインストラクターさんと違い、お医者さんは意外な角度でズバリなことを言う。
 「ヤセたければ、塩を控えろ!」


 ダイエットっつーときに、苦しい事は続けられないわけです。
 きびしい食事制限だとか、はげしい運動だとかね。
 というときに、「塩を意識するだけでヤセる!」というのはどうだろう?
 何も、食事療法のメニューを食べよう、とかそういう話ではないみたいだ。
 たとえば、ラーメンを食べるときに、スープを飲み干さないこと、とかその程度の話らしい。


 ところで最近ワタシは「ラーメンが食べたくなったら、蕎麦を食べて気を紛らわす」というのをやっているのです。
 ラーメンを食べに行くと、ついつい大盛りを食べたくなっちゃうし、トッピングは乗せたくなっちゃうし、スープは最後まで飲み干したくなる。
 それに比べると、蕎麦はそもそもヘルシーだし、大盛りにしたってカロリーはたかがしれているし、トッピングって言ったってワカメとかナメコとかトロロとか山菜とか? むしろ乗っけたほうがヘルシーだ。
 減塩のためにはスープを飲み干したくなると良くないので、ざるそばにした。
 蕎麦つゆにドボンと蕎麦をくぐらせたくなるのを我慢して、江戸っ子のやせ我慢で、蕎麦の先にチョンとつけて、すする。
 うん、大丈夫大丈夫。
 二口目はもうちょっと減らしてみる…。うん、おいしい。
 おもいきって汁をつけずに蕎麦のままで食べてみる。コレはコレで美味しい…けど、やせ我慢しすぎたかも?
 つぎは普通に食べてみる。お、ちょっと濃く感じる?
 と、こんな感じで、ひとくちごとに味のバリエーションが楽しめる。
 けっこう楽しく減塩出来たのであった。


 健康のために「減塩食を食べよう」とか「療法食を食べよう」というのと違って、「毎日の生活の中から塩を減らすように心がけるだけで、ヤセる!」というのは気軽で、はじめやすいと感じました。
 塩を減らそうと心がけるだけでヤセるのかどうか? ま、ちょっくら続けてみますよ。
 コレでホントにヤセちゃったら、スポーツクラブを辞めてやるんだから! チクショー!