ーOOO-「検索する」のはむずかしい!? … gooラボ ネットの未来カンファレンス

 今日は横浜で「gooラボ ネットの未来カンファレンス」というのを聞いてきたですよ。
 
 拡張現実の話、情報探索の話、ネットの未来の話と3つのテーマがあってそれぞれ面白かったんですが、情報探索の話が気になったのでメモ。
 ウェブページがどんどん増えていき、文字情報だけじゃなくて音声や動画コンテンツが増えているときに、われわれはどうやって情報を探せばよいのか? ということを切り口にした話だったんですが、もっと別な問題点が指摘されました。

そもそも興味があるものが思い浮かばないヒトビト

 高齢者向けのパソコン教室で講師を務めた方のお話。
 いろいろ使い方を説明して、「じゃあ検索をやってみましょう」となったとき、そもそも検索で何が出来るのか、何がどうなるのかがわからない。そして、検索窓に「何を入れるの?」と、みんなとまどうのだそうです。
「何を検索しても良いんですよ、自分が興味があることを入れてみてください」
というと、ますます困るらしくて
「検索したい興味があるものが思い浮かばない」
のだそうです。
 操作が難しい、とかそういうレベルの話じゃない。それ以前の問題です。


 ここで「検索とはカーナビである」と発言した人がいました。

  カーナビは、「どこに行くか」を教えてくれるけれど、
  「どこに行きたいのか」を考えてくれるわけではない。


 で、パソコン教室に来る人というのは、そもそも「パソコンが何に使えるのかわからないけれど、最近流行っているから使い方を教えてもらおう」という人たちの集まりで、「みんながパソコン教室に来ているから、来ちゃった」みたいなノリなのだそうです。
 だから「パソコンで何をすればいいのか、何がしたいのか」が全くない、そもそも「まったくはじまってない人たち」の集まりなんだそうです。


 で、検索を教えるときは、たとえば「旅行に行く」みたいなテーマを設定すると、何を検索するかがだんだん見えてくるそうで、そこまでもいっていくのが大変なんだそうです。

ネットはまだまだ難しい

 ここで別な人からの指摘。
 検索エンジンの使い方を覚えた人が、旅行について検索して、旅行サイトに飛ぶ。
 と、そこでは「旅行サイトの使い方」を覚えなければならない。
 検索エンジンで新しいページに飛んだ人は、そのページの読み方や使い方を学ばなければならない。その作法は一定ではない。慣れている人は「なんとなく」使えてしまうけれど、初心者はそこまで行くのが大変だ、という話。


 ここでまた別な人の話。
 子供に検索エンジンの使い方を教えるときに、「自分の一番知りたいことを検索してごらん」と言ったら
「おかあさんは今どこにいるの」
と入力したんだそうです。
 「そんな情報は検索しても出てこない」とか「文章じゃなくて単語に区切って入力しなきゃダメだ」と、我々は何となくわかります。それは自分たちがネットに習熟した上級者で、出来ることの限界を知っているからなのです。
 どんな検索の仕方なら望む結果が得られるのか?
 どんな情報ならネットで検索できるのか?
 初心者にはその判別が難しいのです。

まとまらないまとめ

 ほかにもいろいろな話があがりました。
 Twitterで「日本勝った!」「うおー!」とかつぶやいたとして、そのつぶやきは検索するべき情報としての価値はないけれど、そのつぶやきを共有することに価値はある。検索だけがネットの情報の価値を付けているわけではない、といった話などなど。
 話はあちこちに飛んで、結論めいたものは出ませんでしたが、大変刺激的で面白かったです。


 ひところgoogleのトップページに「注目キーワード」が表示されていたことがあったけれど、アレはそういうニーズを組んでいたのかなぁ、と思いました。
我々は「余計なモンを表示しやがって! トップページが重くなる! ウゼー!」とか思っちゃいますが、アレにはアレで理由があった、と。