ーOOO-ぶらり江ノ島

 親孝行の一環として、家族で鎌倉〜江ノ島へ。
 横須賀線に乗って多摩川を越え、神奈川に入ると景色が少し変わる。緑が多くなり、ちょっと山がちで、でこぼこしている。崖にへばりつくようにして家が建っている。
 鎌倉駅江ノ電に乗り換える。あいかわらず可愛らしい電車だ。4両編成で、1両にドアは2枚しかない。細い線路は街を縫うように走り、時に家の軒先をかすめ、細い細いトンネルを抜け、時に路面電車のように道路のド真ん中を走る。


 まずは鎌倉の大仏さんのお寺に向かう。壁の向こうに大仏さんの頭が見える。しかしそこから先に進むには、拝観料が必要なのであった。
 初めて見た鎌倉の大仏は思ったよりも小さかった。小さく見えるのは座っているからかもしれない。けれど、立ち上がっても静岡の等身大ガンダムより低いんじゃないだろうか? 現代では日本のあちこちに巨大な大仏や観音様があるので、鎌倉の大仏が小さく思えてしまうのだった。
 大仏さんの周りの森にはリスが大量にいた。でもかわいらしいという感じではなくて、けっこうデカくてしっぽが太かった。


 江ノ島駅を降りる。ここから江ノ島までは延々と歩くハメになる。陸地と島を一本の長い橋がつないでいる。この日は最高気温が38度近くなったらしいのだが、橋の上は日陰がないので死にそうになる。
 海水浴場の海の家はあらかた壊されていたが、それでも海水浴客は多い。海の東側にはサーフィンやボディーボードウインドサーフィン、沖の方にはヨットがぷかぷかしていて、見ているだけで飽きない。
 が、西側にはジェットスキーがたくさんあって、うるさいったりゃありゃしない。風情もへったくれもない。免許取り立ての高校生がバイクの空ぶかしをしながら道路を蛇行運転しているような見苦しさがある。


 身体が干物になる前に江ノ島に上陸。
 まずは生しらす丼を食べてみた。あの味は何と表現したらいいんだろうなぁ。じょうずに醤油をたらして自分好みにして食べるわけですが。一番近いのは「いわしのたたき丼」という感じなんだけど、血なまぐささと脂っこさが無いという感じ?


 で、江ノ島のてっぺんにある展望台に登ることに。
 展望台の屋上は、とても涼しい風が吹いていました。
 
江ノ島に来る前は『まあ、こんなものなんだろうなぁ』と思っていたけれど、こうやって来てみると、みんなが江ノ島江ノ島っていう理由が分かるような気がするなぁ」
と、父。
 この日は他にもあちこち眺めたのですが、ちょっと駆け足だったので、「もうちょっと涼しい季節に、出来れば泊まりがけで遊びに来よう」と話しながら帰りました。


 ところで。
 会社の人に「鎌倉と江ノ島に行ってきました」って言ったら、やたら食いつきがいいのね。
 たとえば「京都に行ってきました」って言った時は、「どうだった?」「あら、いいわねぇ」みたいな話になるんだけど。
 「江ノ島に行ってきました」だと、「水族館行った?」「猫がカワイイよねぇ」「あそこのケーキ食べてきた?」とかそういう感じ。行ったことある人同士の会話になるのでした。
 そんなわけでいろいろオススメを聞いてきたので、そのうちまた行ってみたいなーなどと思っております。