ーＯＯＯ-パナソニックのテレビが欲しい

　新型ビエラ、それはもうすごかったですよ。
　今回のイベントとは関係ないんだけど、モノのレビューとしては、物欲番長スタパ斉藤さんの記事がいっちゃんわかりやすくて、欲しくて欲しくて欲しくて死にそうになるので、こちらをぜひどうぞ。

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　んで。
　個人的に参加してみての印象などを。
　そう、モノとしてはすごい高機能で便利で親切で、良くできてたんですよ。
　ただね、個人的には、なんかちょっとビミョーだったんですよ。
　どう言えば伝わるのか、いろいろ考えたんだけど。
　この言葉で伝わるでしょうか。

　オレは、パナソニックのテレビが欲しかったんですよ。
　だけどコレは、ナショナルのテレビだったんですよ。

　今回のビエラはすごく便利で、多機能なんですよ。
　ヘルプボタンを押せばヘルプが出てくるし。
　だけどその親切さは初心者向けというか、おじいちゃんと子供向けというか。ナショナルっぽい親切さで。
　考えてみてくださいよ。
　60インチくらいのテレビを買っちゃう人というのは、めちゃめちゃな金持ちか、めちゃめちゃなオーディオ機器マニアなハズで。
　そういう人たちに対して、電源を入れると画面の隅っこにヘルプが出てくるようなテレビって言うのは、バカにしているような気がするんですな。

　松下電器は、いまでこそブランドをパナソニックに統一してしまったけれど。その二つは明確に違ったはずなのですよ。
　ナショナルっていうブランドは、誰にでも使える製品を。
　そしてパナソニックは、最先端の高機能な商品を提供するブランドだった、はずなのですな。
　その二つの違いのイメージを、ビデオの場合にたとえて、自分なりに絵にしたのがこんな感じ。
　
　へぼい絵でごめんなさい。でもね、こういうイメージが伝えたかったんですよ。

　ナショナルのビデオだったら、ボタンにいちいち日本語で説明が書いてあって、しかも老眼でも見やすいように大きな字にしたり、色を変えてみたり。
　だれにでも使えるように、機能は最小限に。だけどそのぶん、なんとなくデザインが垢抜けない。
　ケータイで言うと、らくらくフォンみたいな感じ。

　パナソニックのビデオを買う人は、はっきりとオーディオマニアだから、説明書なんぞ読まなくても、記号を見りゃぁわかる。
　ものすごいガッチリした鉄の塊のフタを開けると、ようやくビデオの差し込み口が見える。しかも、フタの裏には使い切れないくらいビッシリとボタンがついていて、どんなマニアでもそんなの全部使い切れない。
　だけど、テープを差し込むために本体のフタを開け、びっしりとならんだボタンを見るたびに、
「ああ、オレは超高機能なビデオを買ったんだ！」
という、高くて良い物を買っちゃった自分に酔いしれながら、いつも気持ちよく再生ボタンを押すことが出来る。
　コレが高級「感」でしょ？

　んで、60インチくらいのテレビを買っちゃうくらいのお金持ちとか、オーディオマニアな人が、今回の最新ビエラの電源を入れて、いかにも初心者向けなスタート画面が出てきたら、喜ぶんだろうか？
　それは、無いと思うなぁ。
　せっかく筐体はかっこいい狭額ベゼルだとかピカピカの足とかを備えているのに、スタート画面のデザインの垢抜けなさが商品価値を損ねているような気がするのです。

　んで、パナソニックさんに言いたい。
　スタート画面そのものはけっこうイイと思うのですが。しかし、筐体デザインの設計者と画面ＵＩデザイン設計者は別な人なんじゃないかと思えるほど、今のビエラはチグハグです。外部デザイナーを招聘することも視野に入れつつ、スタート画面のＵＩは練り直した方が良いのでは。
　どうせやるなら、「ビエラ　デザイン　バイ　ルイヴィトン」くらいのものを作ってみてはどうでしょうか？
　完全受注生産品で、一台200万円くらいの「ビエラ　デザイン　バイ　ルイヴィトン」。どうでしょう、お金持ちならこういうの、問答無用でガツーンと買っちゃうと思いますよ？
　そしてイメージしてみてください。その完成形を。デザインを。どんな部屋に置かれるかを。
　…ほら、いまのままのスタート画面だと、ダメな感じがするでしょ？

　現状の最新型ビエラは、プレミアムなテレビ。
　誰にでも使いやすい…と言いながら、おじいちゃんや子供向けに作ってるみたいだけど、彼らにはとてもじゃないけど手が届かないほど高級なテレビ。
　誰にでも使いやすい…と言いながら、オーディオマニアむけに作っていない、お金持ち向けにも作っていない。彼らは決して手を出さない。なぜなら、初心者向けのスタート画面がダサいから。
　オレは、パナソニックのテレビが欲しかったんですよ。
　だけどコレは、ナショナルのテレビだったんですよ。

　なんかね、すごく良いテレビなのに、そういう感じが、すごくもったいない気がしたのです。