ーOOO-生命線も短い男

 いつも愉快な弊社の後輩君は、ワリと危ない橋を渡りたがるところがあって、そういう出来事が自分に降りかかってくるのを心待ちにしているオトコなのだった。
 そんな後輩君が駅前を歩いていたら、男に呼び止められて
「手相の勉強をしているんですが、あなたの手相を見せてくれませんか?」
と、言われたのだそうな。
「はい」と答えたら「では、ちょっとこちらへ…」と、物陰へ連れて行かれた。
 怪しい…。一体何が起こるんだ? 後輩の血が騒ぐ。
 んで後輩は物陰に連れて行かれた、というかすぐそこに占いをする用意がしてあって、見台の前に座らされ、ルーペで手相をじっくり見てもらって、
「あなたの金運線は短いですねぇ」
なんて言われて、それで終わった。
「なんだよ、普通じゃねえかよ! とか思いません?」
と、憤る後輩。
 …いや、普通でいいんじゃ?

*彼の手相はこちら