ーOOO-おやくにたちます

 いつもゆかいな弊社の朝の仕事中。
 ちょいと持ち場を離れ、ワタシは倉庫へ向かった。
 そしたら不意に自転車に乗ったお兄ちゃんが現れて、
「このへんにコンビニはありますか?」
と道をたずねられたので、「ああ、この道に沿って2つ目の信号を右ですよ」と答えた。
 そのあとすぐ、今度はいかにもハイカラ風なおじいちゃんおばあちゃんのカップルに
「このへんに喫茶店はありますか?」
と、尋ねられたので、「ああ、それならこの道をわたって少し歩いたところに、ちいさな喫茶店がありますよ」と答えた。
 1日に2度も道案内するなんて、なかなか無いコトだなぁ… などと思いながら、見知らぬヒトのちいさなお役に立てたことをワタシは1人、喜んだ。
 んでその帰り道、ワタシはふと思った。
「あ、コンビニは2つ目の信号じゃなくって、3つ目の信号だった」
ウソを教えるつもりは無かったが、間違ったことを教えてしまった。ショック。
 まさかと思ってなんとなく喫茶店の方に行ってみたら、その喫茶店はシャッターが降りていた。まだ朝早い時間だったので営業していなかったのだ。
 見回しても自転車のお兄ちゃんやおじいちゃん達はもういない。2連発で道案内に失敗してしまったコトに、激しく動揺したワタクシなのだった。