ーOOO-おすすめドラマとか

 昨日からの新番組「神はサイコロを振らない」にはちょっと期待していて、いまどきビデオがウチにはないから*1ドラマがはじまる時間にはきちんとTVの前に陣取って、コタツにミカンなどなど準備万端整えてドラマを見た*2
 冒頭の飛行機が消えるシーンでうっかり泣きそうになって鼻がツーンとなった。なんというか、ダメだ。あーいうシーンは泣く。どこいらへんがワタシのツボなのかは良くわからないけれど、泣く。
 んが、ドラマが進んで行くうちに、細かな部分がひっかかって、見る集中力が削がれて行く。
 大講義室で大杉漣演じる教授が熱弁を振るっている… 無人なのに。んー、いくらキ○ガイでもそれはやらないんじゃないだろうか…。っつーか馬鹿っぽい。なんかシラケる。細かなところでシラケつつもガマンして見る。
 ドラマは進み、とうとう10年前に忽然と消えた飛行機が現代にあらわれた。混乱する航空会社社員たち。だれかが「悪質なイタズラかもしれない」とか言う。…んあー? どこの誰が10年前に消えた飛行機を現代に出現させるなんて壮大なイタズラを仕掛けられるんじゃい! セリフに血が通っていない気がする。
 んで、残念ながらドラマの行く末に期待できなくなって、コレを見るのは終了〜。まあ、話が進んでも評判が高かったりすればまた見るかもしれないし、コレを原作で読んでみるという可能性はあるけれど。
 えっと、以下はワタシなりの「原作付きドラマの鑑賞のツボ」なんですが。
 小説を連続ドラマする場合は、原作をそのままドラマ化したのでは12話分の時間は、まず埋まらないわけで。そこでセリフやらエピソードやらを追加していくことになるわけだけど。それから小説を映像化するときは、描かれていなかったものを映像化することになるわけで。
 そのことが原作に対する優れた解釈や批評になっていたりするとすばらしい。原作の弱点を補ったりとか。場合によっては原作を打ち壊してしまうこともあるかもしれない。しかしそのことがドラマ制作陣の独りよがりではなく、原作の持つメッセージを力強く引き出していれば、ソレはソレでアリではないか、と…。ま、ファンは泣くだろうけどさ。
 え、そんな作品あるのかって?
 今クールのドラマ作品でワタシがもっとも楽しみにしているのが、「白夜行」だ。
 いや、もうコレは面白い。
 スゴイのスゴくないのって、実はワタシはこの原作を読んでいて、そのときに「なーんかイマイチ面白くないなぁ…」と思っていたはずなのに、なのにまんまとこのドラマには引き込まれてしまった、というところがスゴい。
 手元に原作本がないので*3記憶を元に書くけれど、原作の小説は短編小説のような体裁を取っている。各編ごとに舞台も登場人物も異なった事件が起こるのだけれど、結局犯人はよくわからない。だがどうもその各々の事件の裏には必ずある男女の影がちらついて…。というものだ。
 で、この二人が犯人であり主人公なのだけれど、決して彼らの目線で物語は描かれない。彼らは主人公でありながら決して主人公としては描かれず、彼らは彼らの心情を物語らない。
 んで、そこいらへんがこの物語の面白い部分であろうと思う。
 が、ワタシはニブいヒトだったので結局「で、だからなんでこんなにも犯罪を犯し続けなければならなかったわけ?」とか「なんで逃げ続けなきゃなんなかったわけ?」みたいなところがわからず、最後まで読んだときに「何だこの女?冷たい女だなー」くらいの感想しか浮かばなかった。
 ところが、ドラマではこの二人をキチンと主人公に据えて、二人の目線で物語を進めようとしている。
 原作の中では描かれていなかった部分を中心において、ソコをきっちり描ききろうという姿勢がます素晴らしい。そして、その描き足されている部分にスキが無いのが素晴らしい。原作を読んでいるのにハラハラドキドキする。
 あと刑事役の武田鉄矢が実にイイ顔をする。ニヤーッと笑ったときの、ぞくっとする感じとかがすごい。
 って、白夜行はじまっちゃうじゃーん。コタツにミカンに準備万端整えて、TVの前にそれ行け!オレ!


more... ーOOO-ドラマの「白夜行」は「罪と罰」っぽくない?(06/01/26)

*1:DVDレコーダーだからとかPCに録画しているからとかいう話ではなくて、ホントにTV番組を録画するものを持っていない

*2:生で、というかオンタイムでTV番組を見るためのこーいう緊張感をワタシはけっこう楽しんでいる

*3:つまんないと思って読み終わったら即捨ててしまったから