ーOOO-雪の日の朝

an_dan_go2006-01-22

 ずざっ、じゃごっ、じゃごじゃごじゃじゃじゃ、と耳障りな音に目が覚める。朝六時。凍った雪道をかき分けて車が行く音だった。
 寒い寒い寒い。でも今日も会社に行かなくては。貼るカイロをふだんより多めに体中に貼りめぐらせ、しっかり耐寒装備。でもこんな寒い日には、安いカイロはちっとも暖かくなりゃぁしない。
 玄関を開けると、一面の銀世界。昨日の雪が降っている最中とは違い、今は空が晴れているので雪がまぶしい。いざ出掛けようとしたら、自転車の鍵穴は凍りついてた。あわててお湯をぶっかける。
 路面の様子を確かめるように、ゆっくりと自転車を走らせる。完全に凍った路面もあれば、朝日に照らされてじわじわ溶けだしはじめた路面もある。真っすぐ走っているはずなのに、雪のわだちに微妙にハンドルを取られたり、後輪が微妙に左右に滑ったりする。朝の冷たい空気の中で一人自転車をこぎながら、神経をぴんとさせて、しっかりとペダルを踏み締める。
 でも交差点を曲がるときは、両足を地面に降ろしてつま先だって、そろりそろりと曲がったりして。
 駐車場にはどっさり雪が積もった車が何台もあり、イカのにぎりがいくつもいくつも置いてあるかのように見える。
 枯れ枝はたわわに雪を茂らせ、一面の銀世界の中、カラスが元気よく澄んだ青空を横切って行きます。朝の柔らかく暖かい光を浴びて、電線や枝から雪がぼそり、ぼそりと落ちる時に、ふわりと氷の粒が舞い上がります。朝日の中で細かな光の粒が舞い散ります。
 いつもよりかなりゆっくり自転車を走らせて、体中のカイロがようやく暖かくなり始めたころ、駅についた。自転車を止めて、さて行こうかとしたら、自転車の鍵穴は凍りついていた。ちょっと、カギが取れませんてば。お湯がありませんてば。