ーOOO-ねこクラッチ

 私はユーノスロードスターに乗ってますです。
 平成4年式の車のワリにはまあまあキレイなのだけど、かれこれ14年も走っているので、それなりにアチコチくたびれている。
 その一つが、クラッチペダルだ。
 クラッチペダルを踏んでクラッチを切る時に、足元から「きこー」とか「きちょっ」「きょー」みたいな音がする。油が切れた感じの音だ。
 検索してみると、年数の経ったロードスターでは… というか、古い車ではワリとありがちな症状らしい。
 クラッチペダルの付け根に油を差せば直る場合もあるが、クラッチケーブルの交換、あるいはクラッチレリーズシリンダーの交換・クラッチ回りのオーバーホール… と、同じ症状でもケースバイケースらしい。修理代金もピンキリだ。
 んでこの症状には、ワリとありがちだからか、呼び名がついている。
 (ごく一部の)ロードスター乗りは、この症状を「ねこクラッチ」と呼ぶ。
 左足のクラッチペダルの裏にネコが住んでいて、クラッチペダルを踏むたびに「にゃー」と鳴く… そんなイメージか。
 ねこクラッチという呼び名は実に絶妙で、自分のロードスタークラッチを切ると確かに「にゃー」と子ネコがないているような、そんな音に聞こえないでもない。
 んでコレ、上手に踏んでやらないとネコっぽくは聞こえない。
 ねこクラッチという呼び名を知って以来、私はクラッチを踏む時にネコをびっくりさせないようにソーッと踏んで、離す時はパッと離している。
 クラッチをソーッと踏んで、パッと離す…。
 子ネコの声を楽しみながら、私はクラッチの扱い方の極意を学びつつある。
 ちょっとしたトラブルだって、クセだと思えばかわいい物だ。(←修理しろってば)