ーOOO-TAO of YOGA(初心者死闘編)

 相変わらずスポーツクラブに通っている。
 でもそれほど熱心ではなくて、週に二回くらい… いや、正直に言えば週イチかな? 場合によっては月イチという時もあるかな…。
 そんな感じなので、ちいともヤセません。
 いや、あのですねえ。そもそも「腰痛を予防するために運動したほうがいいんじゃないか」というコトなので、ヤセるというのは目的外ですから。
 でもって、「ストレッチを多めに」ということなので、ヨガ系のクラスばっかり取っているから、ヤセないんですよ。ええ。


 え?「ヨガって痩せるんじゃないの?」って?
 いんや。オイラの考えだと、ソレは違うね。
 ヨガは、見た目と違ってけっこうキツい。身体の関節を、筋肉を、フルに使う。
 太っていると、身体の肉が邪魔をして、ポーズがかっこよく決まらない。
 んでもって片足で立つポーズがある。これもまたキツい。太っているとついグラグラしてしまう。
 ヨガは、太っているとポーズを取るのが難しいしカッコ悪い。
 だから、太った人は続けられない。
 結果的にヨガのクラスに残るのは、スリムでスラッとしたヨガ向きの身体のヒトだけ。
「ヨガをやるとヤセる」のではなくて、「ヤセた人がヨガを続けている」だけなのではないか…。私はそう考えている。


 そうは思いつつも、ヤセるつもりではなくてストレッチのつもりだとすると、やっぱりヨガは良い感じ。
「うわー、オレすごいポーズ取ってるよ!」
「あれっ、こんなところに関節があるの?」
 そんなことを思いながら、ゆーっくりと動く。
「ゆっくり動く」というのもポイントだ。サッと動いて次のポーズにどんどん行っちゃうと逆に楽なんだよね。腹筋をする時に、パッパとやるより、ゆーっくりやるほうがスゴくキツいでしょ?


 んでもって一時間ほどふうふういって、クラスが終わったので教室を出ようとすると、後ろの人と斜め後ろの人がなんかしゃべってるのが聞こえた。
「笑っちゃうかと思ったー」
「笑っちゃ悪いよ」
 …って、えっ? オレのこと笑ってた、の?
 もうこういう瞬間は非常にイヤだ。こういうときに「私のこと、笑ってましたか?」とは聞けないものだ。イヤな汗がびっしょり出てくる。まじめにポーズを取ったつもりだけど、めちゃめちゃカッコ悪かったとか? ああ。あああ。あーあーあー。
 くよくよしながら冷静に考えると、どうも着ていたシャツが小さかったのではないかという気がしてきた。
 こないだまではLサイズを着ていたんだけど、それだと頭を下げたポーズのときに、ガホッと垂れて顔に被って息が出来なくなる。んでMサイズのシャツを着てみたら、これは胴回りがピタッとしていてちょうど良かった。
 ハッと思って、鏡の前で身体を横に曲げてみたら、横っぱらがシャツの裾から出てきていた。Mサイズだと丈が足らないのだった。
 必死にふうふうポーズを取っていたら、たるんだお肉がシャツの裾から「たるるるん」とコンニチハしてた、ってワケですな? そりゃあ面白いだろうさ。さぞかしコミカルだったろうさ。
 どぁあ、だぁあああ、だああああああ!
 もう恥ずかしいったらありゃあしない。
 んでもって、ヨガをする時はXLサイズのシャツを着ることにしたら、横っぱらが「てろん」と出ることは無さそうだったので一安心。
 でもコレだと、下を向いた時にシャツが顔に被ってくるのは避けられなかった。


 男子はヨガの時に何を着ればよいのか? というのはけっこう難問だ。
 お店に行けば、女子はヨガウェアみたいなのがあるんだけど。ピタッとしてて、ハナっからおへそが見えそうなヤツ。っていうか、女子はおへそがチラッとしてもかわいかったりするじゃない?
 男子はヘソが見えてはダメだ。特に下っ腹が出てきてるようなヒトはダメだ。
 で、男子用のヨガウェアって、見当たらないんだよね。っていうか多分存在しない。
 雑誌でみると、男子は上半身裸でヨガをやっていたりする。モデル体型ならいいだろうけどさぁ。
 クラスを見回すと、私のようにだぶだぶのヤツを着るスタイルのほかに、ジャージを着るスタイル、シャツのスソを全部パンツにしまうスタイル、あと重量挙げの選手みたいな服を着てるヒト、といろいろあった。というか、男子でヨガをやるヒトが少なかったのでサンプル数が少なすぎ。
 しかしコレといった定番スタイルはなく、というかやっぱりだぶだぶのシャツを着てガマンするのが普通っぽい。ので、あきらめた。