ーOOO-オレとビリーズブートキャンプ
昨今のビリーズブートキャンプの流行に、眉をひそめがちなワタクシだ。
「スポーツクラブの1時間のエクササイズに比べて、これくらい効く!」
みたいな数字があるワケじゃないのだ。
っていうかそもそも、スポーツクラブに通うような人がハマっているアイテムではないのだ。深夜のテレビの通販番組を見ているようなヒトが
「おっ、コレ続けたら、ヤセられんじゃねぇの? ヤセたいけど、スポーツクラブに行くとすげーカネがかかるし。ま、DVDに1万円くらいだったら、ドブに捨てたと思えばいいしな…」
みたいな、ヌルっちい動機で購入したに違いないのだ。
んで、いつもはサッパリ運動しないクセに、DVDを見ながら1時間運動してみて
「ヤセた! ヤセたよッ!」
とか言ってるだけに過ぎないのだ。
運動してないヒトが運動し始めたからヤセてるだけ。
ソレは「あらゆるダイエット法は『正しい』」ってヤツですな。
や、運動するのは良いことだし、ヤセるのももちろん良いことだし。運動やダイエットのきっかけにビリーズブートキャンプをやってみる、というのはアリだし、止めはしないけれど。
でも、ブーム以上の何かではないだろう、と思っていた。
んで、先日のこと。
たまたま「学校へ行こう!」を見たら、ボブが登場していた。
来日していたボブが、学校に行ってビリーズブートキャンプのレッスンをしていたのだった。
見ているウチに「ああ、コレは売れるわー」という気がした。
動きのテンポが二段階、というのがミソかなぁと思う。
まず、ある動作をはじめるときは、ゆっくりと動かさせる。この段階で、どの筋肉を使うのかを意識させられる。で、いきなり動作のテンポが二倍に。どの筋肉を使うかを意識させられた状態でこなすので、効果が高く、キツさも増す。
慣れてきちゃうと、テンポが早いほうがむしろ、テキトーに流せちゃうから楽できちゃうけど。逆に、キチンとこなすつもりだと、ゆっくり動かす方がキツくなるはずだ。
あと、なんだか音楽が耳に残る。ソレに合わせてボブの「入隊おめでとう!」とか「もうワンセット!」「声が小さい!」とかのオコトバ。
コレはボーッと見てても面白そうだね。
ちょっと欲しい気がしてきました。
んでその後のある日。
いつものように接骨院に行ったら、院長先生が
「買っちゃいましたよ! ビリーズブートキャンプ!」
と、うれしそうにおっしゃる。はあ、そうですか。
「もーねぇ、お昼の休憩時間とか、お客さんの居ないときとかに、こーやってDVDを見ながらエクササイズに励んでるんですよ!」
見れば、テレビにDVDをつなげて、ブートキャンプを流しっぱなしにしておられる。
「ここをどこだと思っているんだ!」とかビリーが叫ぶ。
整骨院と言えば、肩やら腰やらに痛みを抱えた者が集う場所。
うつぶせになり、腰なんかを揉まれたりしながら、BGM代わりにビリーの声が聞こえる。
んで、お調子者の運動部の高校生がついついDVDを見ながらブートキャンプに挑戦して、
「あいててて、オレ、そういえばヒザ痛めてたんだっけ…」
などと情けない声を出す。
整骨院は摩訶不思議なビリーズブートキャンプ空間と化していたのだった。
見て思ったコト
んで、ホンモノのビリーズブートキャンプを見せていただいたワケなのだが。
ワタシが「アレ?」と思ったのが、
「吹き替えがない」
ってコト。これ、字幕版だけしか売ってないんだねぇ?
字幕版だと、英語力がないヒトは…っつーかオイラなんかは、運動するためにずーっとテレビを見ていなければならない。コレ、吹き替えがあった方がいいんじゃないの?
っていうか、先日見た「学校へ行こう!」では、吹き替えがちゃんと付いていたのだった。
そのときの吹き替えの声がビリーそのものって感じで、キビシくもあり優しくもあり、イイ感じだったんですよねぇ。
たしかその時の声の人はボブの絵画教室の吹き替えもやったヒトだと思った。
「全く簡単です」と口癖のようにいいながら、魔法のようにキャンバスに風景を描いてみせるボブ。
ソレを見ていると、自分もついつい「絵が簡単に描けるんじゃないか?」と錯覚させられちゃう。
実際には、自分で手を動かしてみると「やっぱボブ、スゲーよ…」ってなるんだけどね。
ボブの絵画教室にせよ、ビリーズブートキャンプにせよ、あの吹き替えをやった声優さんの「声」にスゴい説得力があったよなあ、と思った。
オイラはどうもボブでもビリーでもなくて、あの声優のヒトのファンらしい、と気がついた。