ーOOO-大事な小鍋

 寒いし、おなかいっぱいになりたいし、こんな日の夜は小鍋立てにかぎります。
 うちのお鍋は、近所のスーパーの閉店セール(←ホントに閉店した)で買ってきた、大事な大事な万古焼きの一人用の小鍋です。たしか300円くらいだったかな。
 これに半分に割ったサッポロ一番味噌ラーメンを強引に押し込んで、さらにフタが閉まるスレスレまでクズ野菜をねじこんでやるわけです。
 えっ、「ソレは鍋物じゃなくて、ただ単に袋のラーメンをゆでているだけじゃないか」って?
 ノンノンノン。
 ラーメンを半分に割って投入しているという部分が、それなりにポイントです。ラーメンそれ自体よりも野菜多めで食べております。
 んで、食べ終わったコレに、さらにクズ野菜を放り込んだり、ご飯を突っ込んだり、「替え玉追加〜!」「あいよー、替え玉追加ぁ!」とか1人で叫びながら残りのラーメンを投入したりするわけですよ! どうですかこの豊かさ!


 ところで。
 高級なすっぽん料理店では、鍋をなんども繰り返し使うのだそうです。
 そうすると鍋それ自体にすっぽんのエキスが染みこんでいきます。この鍋でおかゆを作ると、鍋それ自体からすっぽんのエキスがしみ出してきて、単なるおかゆではなく立派なすっぽんの雑炊になってしまうのだ、とか。
 大事に大事に、何度も繰り返し使い込んでいくことで、鍋それ自体が旨みをすって成長し、やがて宝となる。
 じつに素晴らしい話です。
 だからウチでも土鍋を大事に大事に使い込んで、いつの日か「単におかゆを作ったはずなのに、サッポロ一番味噌ラーメンの風味がする雑炊が出来上がる!」そんな土鍋に育てていきたい。
 そんな決意を胸に秘めた2009年の正月なのでした。