ーOOO-横浜開国博Y150は、ラ・マシン(だけ)を見にいこう!
日米修好通商条約が結ばれてから150年目の今年、横浜では開港150周年を記念した横浜開港博Y150が開催されます。
横浜の街それ自体は今年いっぱい開港祭なのですが、来週の4月28日からは赤レンガ倉庫周辺のベイサイドエリアで開港博が開かれます。
今日4月23日は無料招待の横浜市民5000人と報道関係者向けのプレビューイベントが催されました。
で、ワタクシはブロガー枠で報道関係者としてイベントに参加させていただきました。
*1 「ラ・マシン」が見たかったんだ
開国博Y150といえば、いちばん気になるのはなんといっても
「ラ・マシン」
ですよねー。
細かいことはわからなくても、あの巨大なクモがうねうねしてるトコが見たい!ですよねー?
んで、さっそく見に行ったのですが…
がびーん。
本日の目的、終了ー。
とはいえ、メンテナンス中のマシンを存分に見ることが出来ましたよ。
背後のクルマとか、立てかけてある脚立なんかと比べれば、デカさが伝わるんではないでしょうか?
今回はワタクシ報道関係者なので、ビシバシッとスタッフの方に質問できたりします。
− 機械だからやっぱりメンテナンス日が必要なんですか?
「今回はちょっと緊急でメンテナンスと言うことで、会期中は毎日公演する予定です」
− 機械が複雑そうですけど、雨が降った場合は中止と言うことはありませんか?
「雨でも公演が行えるように対策してありますので、雨天決行です」
− 一日何回公演なんですか?
「会期中は一日五回公演の予定です。ぜひ動いているところを見にいらしてくださいね」
ところでさっきの動画を見ると、チケットを買って有料で入るゾーンだけじゃなくて、無料でいけるゾーンの赤レンガ倉庫や海の周辺でもラ・マシンは見れるみたいよ?
追記)
プレビューイベントと違って敷地の外には出ないので、キチンと見るなら中に入る必要があるようです。逆に言うと、プレビューほどにはラ・マシンは暴れてくれないようです。
それから、混雑回避のためにラ・マシンを中止する時があるようです。お金を払って入場する人が多ければ多いほど、中止になる可能性が高いということでしょうか? …なんのこっちゃ。
さらに追記)
- ーOOO-生で見るラ・マシンは、やっぱしすごかった!(2009/7/2)
*2 黒船ペリー・テイトくんの黒さに震えろ!
限定品のおみやげものに「ペリー・テイトくん」というのがあるんですが、なんだこれ?
と思ってたら、ステージでショーをやってました。
開国博Y150イメージキャラクターの「たねまる」と「ペリー・テイトくん」、そしておねえさんのショーですな。遊園地的なほのぼのとしたアトラクションですな…。
と、思ったらこのペリー・テイトくんが黒い黒い。
「クソウ、開国ワズカ150年デ コンナ技術力ヲ身ニツケルトハ、ナ…」
「日本ハ世界ノまねヲシテキタダケジャナイカ」
「教エテヤロウカ、開国ノ本当ノ真実ヲ…」
黒船が…というかアメリカがこんな感じですごんできたとしたら、どうですか?
苦笑しつつも、なーんか危うい感じのするショーだなー、と思いながら見てたんですが
最終的に会場のみんなで「ワッ!」とかやって、無事に終了。
あのですな、映画とか(後述)は1日に10回以上上映するし、ラ・マシンも1日5回公演するんだけれど、このショーは1日3回しかやらない貴重なショーなので貴重ですぞ(オススメとはいわないですが)。
ショーの最後には、おねえさんとたねまるくんがステージから降りてきて、記念写真が撮れますよ。
たねまるくんじゃなくて、おねえさんと一緒に写真が撮りたかったオレだが、さすがに声がかけられなかったよ…。
デカいわりに、器用に階段をのぼるたねまるくん。
おまけ:たねまるくん超豪華1万円ぬいぐるみ。
*3 海洋堂のワナにハマる!…そしてふれあいの心
チョコエッグで有名な海洋堂さんは、よくイベントで限定フィギュアを販売しています。
で、今回は横浜開港150周年記念公式カプセルフィギュアというのを売っていました。
全7種類で、中が見えないカプセルに入っています。
なかでもワタシが一番気になったのは、なんといっても
「崎陽軒のシウマイ」フィギュア!
このシウマイも細かく出来てるんですが、なんといっても醤油差しの「ひょうちゃん」の絵がカワイイ♪
ワタシがじーっと眺めていたら、妙齢のおかあさまも同じくじーっと眺めている。
何が欲しいんですか?と聞いたら、
「あのシウマイが欲しいんですけど…。でも、カプセルの中身が見えないから、選べないし…」
つーことで、ワタシは8個買ってみました。おかあさまは2個買いました。
合計10個も買ったのに、結局シウマイは一個も出ませんでした。
んで、中身がダブってたのでお互い交換しました。
テーブルの上でわさわさ広げていたら、通行人の方が足を止めて物珍しそうに眺めていましたよ。
「あら、わたしもソレ一個欲しいです…」という方が現れたので、その方にお譲りしたりして。
言ってしまえばガシャポンの突発トレード大会だったんですが、世代や性別を超えてそういうことが起こったというのが面白かったです。
*4 映像系は地雷
開国博Y150でラ・マシンに次ぐ目玉といえば、岩井俊二脚本×北村龍平監督のSFアニメ「BATON」ではないかと思うんですが、コレは地雷ですのでオススメしません。
BATON公式ページ
殴り合いを延々と見せられて、さあこれから何か起こるのかな?というところで終了。
20分の上映時間のうち、ラスト3分くらいがスタッフロール(黒背景白文字のみ)、そのあと1分使って次回予告(!)。全3部作で、第2部は6月に上映するから見に来てね、という感じ。
今まで見てきた第1部が延々とストーリーがなくて展開が遅かったのに、次回予告がやたらとミステリアスにストーリーがギッチリ詰め込んであるので「本編15分そこそこで、このエピソード全部は消化できないんじゃないの?」と、苦笑するしかありませんでした。
上演後、「なんだコレは!」と怒ってるお客さんもいました。
ところで岩井俊二さんは以前、花とアリスの時に、3部作の短編映画をインターネットで公開して、それを再編集してネットで未公開のシーンを追加して、最終的にDVDで発売したことがあります。
たぶん今回もソレと同じようなことをするんじゃないかなーと思うので、どうしてもBATONが見たいヒトは、開港博Y150に来ないでBATON完全版のDVDが発売されるのを待った方が良いんじゃないでしょうか。追記→)「あの」BATONが早くもDVD化!
映像系で言えば、スーパーハイビジョンシアターというのがあるんですが、これも地雷ですのでオススメしません。
通常のハイビジョンテレビというのは、1920×1080ドットで表示されるのですが、スーパーハイビジョンでは7680×4320ドット、通常のハイビジョンの16倍のドット数を映し出します。
540インチの巨大スクリーンに、通常のハイビジョンの16倍の映像を映し、さらに24個のスピーカーを立体的に配置した22.2マルチチャンネル音響を流す…。映像マニアならヨダレをたらしそうなシステムです。
んで、見たんですが。
ストーリーがないモノを延々と見せられるのは苦痛でした。流れている映像は棚田とか、ひまわり畑とか、川の水のきらめきとか、そんなのばっかり。なんつーかアレですよ、電気屋で高級な液晶テレビでエンドレスで流してるような映像ですな。画像の評価には良いんだけど。
で、スーパーハイビジョンの画質はどうかというと、すごいことはすごいけど、まだまだという感じ。
表示部の液晶の応答速度が低いらしくて、止め絵だとものすごい画質の絵を出してくるので「おおっ!」と思うんだけど、ちょっと動きが激しくなると画面がついて来れない。動いているモノだけがモヤーっとしているように見えて、ピントが合ってないように見える。背景はビシーッ!と止まってるのに、動いているモノというか、見たいモノ自体はピントが合ってないように見えるので、画面を見ているとストレスがたまります。
ちなみにスーパーハイビジョンシアターはシートがなくて、鉄の柵に寄りかかったり腰掛けたりして見る必要があります。
スーパーハイビジョンシアターの奥は、日産さん提供の環境について考えるパビリオンになっています。
ココを出ると、その奥にはおもしろい仕掛けがあります。
一枚の葉っぱ型の紙をわたされるので、ここに「地球環境のためにこれからはじめること」みたいなテーマで何か一言書きます。
その紙を巨大なバルーンの中に入れて、とばします。
みんなの思いが、一つになるのですね。
(左上のヒドいのは私が書いて入れました)
*5 報道関係者の看板を背負うと言うこと
ブロガー枠で報道関係者として潜入したワタシは、胸に「PRESS」のタグを付けて会場を歩きました。んで、道すがらブロガー仲間のヒトと合流。お互いに感想を言い合いながら順番待ちをしているときに、
「いちおう報道関係者だから、街の人の声とか聞いた方が良いのかね?」
「いやー、そこまでしなくてもいいんじゃ?」
みたいな話をしてたんですね。
そしたら列の前にいたオジサマが、
「いやいやいやっ、ぜひ一言いわせてください!」
って言うじゃありませんか。
はい、なんでしょう?
「もう、こんなのダメだよ! お金取るようなイベントじゃないよ! そう思うでしょ?
だってね、昼間はこのスーパーハイビジョンのヤツは2時間待ちだったんだから! で、2時間待って、で結局、日本のアッチコッチの田んぼとか、ねぶた祭りとか、そんなの見て終わりでしょ? なんのこっちゃって感じですよ。
横浜の開国博なんだから、せめて横浜の名所を、神奈川県の美しい風景をカメラに収めるべきでしょ?
それからあのアニメだよ、なんだあれは、シナリオがなってないじゃないか。
主人公だかなんだかわかんないけど、あいつは登場した時点では単なる侵入者だろ?だから警備員が取り押さえようとする、それだけじゃないか。あの警備員は悪くないよ、職務に忠実にしていたのに殺されちゃったじゃないか。
しかも、ただそれだけの話で、思わせぶりに終わっちゃったじゃないか!
開港博の目玉ですよって作品が、3部作でした、続きをまた見に来てくださいね、って、それはないだろう。
入場料は大人2400円なんだよ、3回見に来たら7200円じゃないか。
正直、あのアニメにそんな価値ある?
地元の人はイイよ、今回ワレワレも横浜市民で無料招待だったからいいよ
でもさ、アレを見に日本全国から、たくさんのヒトがわざわざ来るわけだよ。
北海道から来ました、あのアニメ見ました、全部で3本あるから続きはまた今度見に来てくださいね、って、そんなひどいの、アリか? それはダメだろう?
それからあのへんちくりんなクモだよ。
今日はメンテナンス日ですとか言って、けっきょくやらなかったじゃないか!」
− あー、アレは今日はメンテナンス日だっただけで、本番の会期中は雨が降っても毎日必ずやりますって言ってましたよ
「きっとウソだよそんなの。だって、アレは今日は2時からやりますって言ってたんだから。それが中止になっちゃって、メンテナンスですとか言ってるんだから。
複雑な機械だから、毎日必ずって訳にはいかないんじゃないのか?
っていうか、あの機械はついこのあいだ動き始めたばかりじゃないか。全く新品なのに、始まったばかりで会期に入ってないのに、ろくすっぽ動かさないうちに故障しちゃってメンテナンスなのかい?
目玉のクモが動かない、映画は2本ともハズレ、こんなんじゃダメだよ。恥ずかしいよ。
今回、他の会場でお金取ってないで入れるトコもあるじゃないか。ああいう感じで全部のアトラクションが無料だって言うんなら、いいけどさ。
でもさ、コレが大人一枚2400円だぜ。高すぎるだろう?
いまどき映画一本1800円だぜ、サービスデーとかレイトショーなら一本1000円だぜ。映画一本で2時間楽しめるぞ。なのに、このイベントで2時間楽しめるかい?
ディズニーランドの3分の1楽しませてくれるのかい? そんなことはないだろう。ひっくりかえったって追いつけないよ」
− 20年前に横浜でYES89って言って、横浜博って言うのやってましたよね。アレはすばらしかったですよね。もう、筑波万博に匹敵するような…。
「ああ、あれは良かったね。子供たちをつれて、何度も来たよ。いとこたちも大喜びでなぁ。
で、あーいうイメージで今回来たけれど、もう全くかなわないね。
みっともないよ。横浜市民として。恥ずかしいよ。こんなイベントでお客さんからお金取っちゃいけないよ。そうでしょ?
今日は横浜市民は無料招待と、マスコミ向けの発表会だったわけだけど、今回のこのイベントを各マスコミがどういうふうに報道するか、スゴく興味がありますね。
単に事実として、『こういうイベントが行われるそうです』っていうふうに報道するのか、それとも『スゴく楽しいイベントですから、皆さん是非来てくださいね!』っていうふうに報道するのか。
どう逆立ちしたって、『楽しいイベントです』『ぜひ行くべきです』とは言えないだろう、と思うんですよね。それを言うか言わないか。
べた褒めするようだったら、ああ、このマスコミは腐っているなぁ、と。
マスコミはどれほど腐っているのか、それを知りたいんですよね」
オジサマの刺すような、冷ややかな目線。
それはたしかに、ワタシの胸についている
「PRESS」
の文字に、突き刺さっていました。
これほど熱く、これほど長く、切々と開港博についてオジサマが語っていたのは、ワタシが「報道関係者」だったから、なのでした。
報道関係者の看板の重さをずっしりと背負ったのは初めてで、ものすごい背中に汗をかきました。
*6 さようなら、開国博Y150
さて、はたしてあのオジサンは、正しかったのでしょうか? それとも、変わり者だったのでしょうか?
ほかの多くの市民のみなさんは、このイベントを楽しんだのでしょうか?
5000人の市民を招いて開かれた、プレビューイベント。
昼間はパビリオンに2時間待ちの行列が出来るほどの大混雑だったといいます。
そしてこの日の閉園時間は夜8時なのですが…、