ーOOO- キツい仕事の面白さ…ウイルスと闘う人たち

 多発するネットワーク犯罪。その発生件数は日々増大し、手口は高度化の一途をたどります。
 そんな危険からわたしたちを守ってくれるのが、ノートンインターネットセキュリティなどのセキュリティソフトなのですが。
 セキュリティソフトを作る現場や、日々ウイルス対策のワクチンを作る人たちって、大変そうですよね?
 ということで先日に引き続いてシマンテックセキュリティレスポンスラボのレポートをお届けしますです。


 今回は、ラボで働く方にその苦労話などをうかがってきましたよ。

ー あの、ぶっちゃけ、こういう職場で働くのって、毎日キツいと思うんですよ。(研究員さん苦笑)
 で、毎日の仕事の中で特に 「この仕事はコレがキツいんだよなぁ」 みたいな話がありましたら、お聞かせいただきたいのですが。

「そりゃあ、なんといっても (と言いながら、セキュリティレスポンスラボのマネージャーさんを指さして) 彼がキツいですね。とにかく 『急いで! 急いで!』 ってせかされるんですよ。
 我々の対応する案件はどれも至急で、重要ですから。それが次々に入ってきます。
 そして、アップデートをリリースするときには、完全に対策出来なければならないんです。
 常に 『急いで、完璧に』。これを両立させなくてはならないんです。
 それでいて、攻撃の手口は年々巧妙になってきますから。彼らは常に、今まで考えもしなかったような手口で仕掛けてきます。だから、それに対策するわたしたちも、つねに新しくて深いところを追いかけていかなければならないです。」
ー なるほど、Windowsだけ知っていればいい、というわけではないんですね。
Windowsが狙われるのは、ウイルスの作者にとって 「その台数が多いから、狙いがいがある」 ということだと思います。
 どんなプログラムでも、それが完全と言うことはありえません。彼らはありとあらゆる攻撃を仕掛けてきて、誤動作を引き起こさせて、そこを手がかりに侵入してきます。プログラム的な誤動作だけではなくて、時にはハードの誤動作を引き金にするときもあります。
 だから私たちの場合、プログラムの技術はうわべだけではダメで、もっと機械の奥の方までいじれるようにならなければなりません。
 いままではMacはあまり狙われなかったんですけど、最近はMacが売れてきたからポツポツとウイルスが出てきていますし、我々もMacについて勉強を深めているところです。
 先ほど見ていただいたように携帯電話にもウイルスはありますし、iPhoneにもウイルスが出てきました。現在はこの方面も研究を進めているところです。」
ー さて、ここまで苦労話をうかがってきたわけですが、逆に、「この仕事をやっていて良かったなぁ」 と思う事はありますか?
「そうですね、この仕事は面白いですよ。」
ー 即答ですね! どんなことが面白いんですか?
「この仕事は、いろいろな物を触ることが出来るんですよ。先ほどの話でありましたけど、Windowsだけじゃなくて、Mac、携帯電話、そしてiPhone。これらすべてを、ずっと深くまで触ることが出来る。
 これがある業種のプログラマーだったら、特化した部分しかやれないと思うんですよ。Windowsだけ、とか。それもインターフェースだけ、とか。
 あらゆるハードのプログラムを書くというのは、他の業種のプログラマーでは絶対に出来ない体験で、すごく面白いですね。」
ー「Windowsのウイルスならこの人が担当」みたいな、各機種の専門家がいるわけではないんですか?
「ウチでは特にそういう専門家はいないですね。みんな何が来ても大丈夫なように勉強しています。
 誰が休みの日でもキチンとこなせるようにしておく、と言う意味と、あと今のウイルスはあらゆる物にまたがって攻撃をかけてきますから。
 たとえば以前こんな事例がありました。
 ファイアーウォールの機能がついたブロードバンドルーターがあるんですが。これに、ネットにつないだ他の機器からオンオフするためのUPnPという機能がついていたんですね。これを利用してルータを再起動させてファイアーウォール機能を殺してしまって、そこから侵入するという手口がありました。
 それから、ネットにつながっていたDVDレコーダーをバックドアにして侵入する手口というのもありました。
 だから、ある分野だけの専門家ではなくて、あらゆるものについて広い視点を持つことがこの仕事で大事なことなんです」
ー 最近はインターネットにつながるテレビとかあるじゃないですか、あれで買い物をする人もいるわけで、ああいうものが今後ターゲットになる可能性もありますよね。
「可能性はありますね。
 彼らはなんでもターゲットにしますから、プログラムが走ってネットにつながっている物であればなんでも、悪意のあるコードが入り込む可能性があります。」


 


 ということで、いやはやなかなか大変なお仕事なようですが、印象的だったのが
「この仕事は面白いですよ」
って即答なさった部分です。
 シマンテックノートン製品と言えば、パッケージで腕組みした白衣のノートン先生が有名ですよね。あのパッケージに安心感を感じて、ノートン製品を買っていたワタクシとしては、最近のパッケージからはノートン先生がいなくなったのを寂しく思っていたのですが。
 でも今回こうしてラボを訪れて、そこで働くみなさんの声を聞いたことで、安心感を感じました。
 今この瞬間、地球のどこかでシマンテックセキュリティレスポンスラボのみなさんが『急いで、完璧に』働いていることで、ワタシのPCの安全は守られているんだなぁと思いました。

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