ーOOO-桃ラーのようでS&Bでもない、ぶっちゃけ少し手作り風ラー油のはなし

 流行に敏感な皆さんならすでにご存じのように、桃ラーとは桃屋のラー油「辛そうで辛くない少し辛いラー油」のことなのですが。
 桃ラー、弊社でも小規模な大流行の兆しを見せております。
桃ラーはねぇ、フツーのラー油とは全然違うんだ。カリカリのフライドガーリックとフライドオニオンがたっぷり入ったラー油でね。ごはんにかけると辛さとしょっぱさとカリカリ感がちょうどいいんだよぉ」
 手に入れ食べた者はその素晴らしさを熱く語り、手に入れられない者は「いいなぁ、それ」とデッカい憧れを抱き。
 あんまりうらやましいから、会社にラー油を買ってきた人がいました。S&Bのぶっかけおかずラー油チョイ辛と、李錦記の具入り辣油(←具が入っていれば何でも良かったらしい)
 李錦記の具入り辣油はフツーに辛いラー油だったのですが、おかずラー油はやはりちょいと違いました。かりかりのガーリックにフライドオニオン、そしてスライスアーモンド。香ばしくてカリカリ、しゃきしゃきした歯触り。
 おお、美味い、美味いぞーっ!
 しかししかし、桃ラーを食べたことのある人はこう言い放ったのでした。
「ふふふ、桃ラーをこんなもんだと思っちゃイケマセンよ…」


 じゃあ、わかった!
 桃ラーが無いのなら、普通のラー油にフライドガーリックとオニオンを入れればいいじゃない?
 ということで、家で桃ラーっぽい何かを作ってみることにしました。

 探すと上記のようなちゃんとした制作記が出てきたりするのですが、今回ワタシは「いかに楽に手を抜いてソレっぽく作るか?」をテーマにしたいと思います。
 
 左からS&Bのラー油(唐辛子入り)(150円くらい)、フライドガーリック(100円くらい)、フライドオニオン(100円くらい)、そしてみじんぎりのアーモンド(200円くらい)。
 えっとですね、ここでザッと計算すると、合計金額は550円かかっちゃってます。桃ラーは定価380円程度なので、コストパフォーマンスがすんごい悪いです。「みんなも手軽に試してみようぜ!」的な記事にするつもりだったのに、なんか早くも暗雲が…。
 とりあえず用意しておいた小瓶に(ここでは李錦記の具入り辣油のビンを使いました)、S&Bのラー油をダーッと入れます!
 中にたまっている唐辛子部分ももったいないので、あとでホジホジして取り出します。

 フライドガーリックはそのままだと粒が大きいです。
 だから袋のまま揉みつぶして荒く砕いておくと、包丁とかを使う必要がないので楽ちんですよっ。

 で、ビンにざーっと空けてやる、と。
 あら、おいしそう!
 と同時に、早くもラー油が足りない予感が。細かいことには目をつぶり、とりあえずこのまま進めていきます。

 フライドオニオンも同じように、袋のまま揉んでやると…
 と思ったけれど、フライドオニオンはガーリックのようにサクサクしてるわけではなくて、シナッ、シナッ、としています。
 もんでももんでも細かくなりません。

 ということで、包丁を使って粗みじんに刻んでやります。
 ああ、包丁を使わずに、なるたけ手抜きをして簡単に美味しいラー油を作るはずだったのに…。
 でもまぁ、たいした手間じゃないッスよ。

 ビンの中に、ドバーッと。
 やっぱりラー油の少なさが気になるかな…。
 でもワタシは辛い料理が好みな訳じゃないので、まあコレはコレでいいかなぁ、と。ラー油が足りなければ足せばいいし、ね。
 細けぇこたぁいいんだよ!
 えーいっ!


 ごちゃごちゃーっと混ぜてみると、うん、なーんか美味しそうだぞ!
 「ラー油」じゃなくて、「ラー油まみれのフライドガーリック」という感じではあるのですが、しかし美味そうだ(自画自賛)!
 で、その美味しそうなヤツを口に運んでみると…。
 

 辛ッ!
 辛い辛い辛い!
 なんじゃこりゃぁ、ラー油の辛みがフライドガーリックの辛みを引き出して、ガツーンと辛くなったッ!
 混ぜたばかりだと味が慣れていないので、しばらく寝かせておけば良くなるのかな?
 このラー油は現状、とにかく辛いだけで、うま味とか塩気とかが全くない状態です。
 これを補うために、桃ラーには「粉末醤油」というのが入っています。聞いた話では、普通の醤油を入れるとその水分をガーリックが吸ってシナシナになってしまうのだそうです
 桃ラーを自作する人々の間では、粉末醤油の代替品としてインスタントラーメンの粉末を投入します。
 で、フツーに醤油ラーメンの素を入れたのではつまらないので、ここではみんなだいすきサッポロ一番味噌ラーメンの素を投入することにしました。
 このラーメンの素が、あとで思わぬ効果を引き出します。
(※ 実験に使った後のラーメンは、あとでスタッフが美味しくいただきました)

 加減しながらスプーンで投入していきます。
 というか、ぶっちゃけ写真の分量では全然足りないッス。最終的にご飯に乗せた時の味をイメージしましょう。
 しかしこの時点でワタシは、味見するたびにその辛さに震え、もはやゴールが見えない状態になっていました。

 もっと辛さを柔らかくしなければ…。藁にもすがる思いで、アーモンドを投入します。
 あとでアーモンドを味見してみたんですが、コレ、しけっぽくっておいしくないアーモンドでした。せっかく作るなら、もっと材料にこだわりたいところです。

 アーモンドを投入したところで辛さは和らがず。
 というかむしろ味の方向性が定まらなくなって、迷走。
 雲よ、風よ!
 心あらば教えてくれ…!
 オレはいったい、何をしているんだ…。

 このあとさらにラーメンの素を投入したり、「温めてやれば味がなじむんじゃないか?」と考えて湯煎したりしましたが、なーんかイマイチ。もはや、作業中の写真を撮る気になれない程度にガックリ。
 味見をすれば震えるほど辛く。
 「このまま一晩寝かせれば、味がなじんで美味しくなるんじゃないだろうか?」
 一縷の望みを抱きながら、でもションボリしながら寝ました。


 次の日のお昼。
 会社でおそるおそる手作り風ラー油を出してみます。
 みんなが次々にツッコミを入れます。
「なーによ、見た目けっこうおいしそうじゃん?」
「どれどれ、食べてみたいなー」
 ごはんにぶっかけてみる。
「油っ気が全然無いのな! パラパラしてて、赤いガーリックライス的な感じ?」
 食べてみる。
「うわっ、辛ッ!」
「辛いなーコレ! ゲホンゲホン!」
「うーん、でもなんか奥深い味があるよコレ」
 あー、ソレはラーメンの粉を入れたからで−。
「ホントだ、ココにラーメンのネギが入ってるのが見えるよ」
「どうにかして辛さを和らげられないのかねぇ?」
 そうですよねぇ、李錦記の具入り辣油のほうがよっぽど甘いって言うか…。
「あ、混ぜちゃえよ、ソレ」
「おお、イケるよこれ、ガーリックがシャキシャキして美味いよ!」
「好みで具だくさんで食べてみたり、ラー油らしく食べてみたりできるから、コレはコレでいいんじゃない?」


 ということで、オイラが作った「ラー油的な何か」は「李錦記の具入り辣油」の良きパートナーとなったのでした。