ーOOO-ぼくとといれっとぺいぱー

 さきに断っておくけれど、お食事中の方は、このさき読まない方がいいです。
 もう書いたからね! きちんと断ったからね!


 ところでアナタは、国語の授業中にこんなことを習いませんでしたか?
「小説の書き出しは、とても大切である」って。
 大文豪の名作の書き出しを、思い出してください。
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」とか。
吾輩は猫である。名前はまだ無い」とか。
「メロスは激怒した」とか。
 書き出し部分っていうのは、その物語の道筋を決める大切な部分であり、かつ、読み始めた読者の印象を引きつける大切な部分である、って。


 ところがぎっちょん、その大事な大切な書き出し部分を、この文章では
「さきに断っておくけれど、お食事中の方はこのさき読まない方がいいです」って。
 なによコレ。
 いや、なによってコトはないよな。
 問。
 この文章から作者の言いたいことを読み取れ。
 こたえ。
 作者はこの文章を食事中に読んで欲しくないんだなー、なぜなら、バッチイ話だから。
 警告文だから。
 いいですよね?
 大丈夫ですよね?


 それは昨日の晩のこと。
 トイレで用を足したら、トイレットペーパーが切れてしまった。
 最後の1回転の紙でケツを拭きながら
「あー、明日にでも買ってこなくちゃ・・・」と思いつつ、用心深いワタシはボックスティッシュをトイレに1箱、置いといた。


 んで今日。
 いざウンコというときに、トイレットペーパーを買い忘れていたことに気がついた。
「まあいいや、ティッシュがあるし。明日買ってこよう」
 いまさら引っこめようとしたって引っこみがつかない。
 で、用を足す。
 そして、ティッシュを使ってみた。


 ところで読者のみなさんは、ティッシュの注意書きの
「水に流さないでください、トイレに詰まる恐れがあります」
という警告文を、読んだことはないだろうか?
 だがオレは、生まれて初めて、この禁を、犯す…ッ!
 今夜だけなら、まあ大丈夫だろう。
 その甘い判断が死の惨劇を招くのだった…ッ!(ヒント:死んでない)


 スッと、ティッシュを手に取ってみる。
 薄い…ッ!
 その薄さは知っていたはずだが、いざ実戦に投入しようとすると、あまりにも頼りない薄さだ。
 この状態のままダイレクトに実戦投入するのは、いくらなんでも無防備だ。
 折りたたんでみる。
 半分にして、さらにその半分に。
 2枚重ねのティッシュペーパーは、4枚重ねになり、8枚重ねになった。
 だが、まだまだ薄い!
 しかも、あまりにも面積が小さくなってしまった!
 手のひらほどの面積に折りたたまれたティッシュ
 その面積の小ささは、汚染範囲をピンポイントでカバーするには余りあるのだが、汚染物質の除去作業を行うには、あまりにもマージンが少なかった。
 想定された汚染物質除去作業の作業工程と、実際に現場で直面した除去作業は、大きく食いちがいを見せた。
 ためらってはいられない。えーいっ!


 にるっ。


 なんか、感触があまりにもダイレクトです…。
 厚みが全然足りてない!
 ふだんトイレットペーパーをつかうときは、カラコロカラと3回転くらいひっぱって、ゴシャゴシャっと畳んでおこなうのだが、そういうのに比べると厚みが全然足りてない!
 鼻をかむためのティッシュペーパー。その鼻あたりの柔らかさは、紙そのものの厚さや肌触り感がもたらすもので、トイレットペーパーとは根本的に違うと言うことを、手で、尻で、じかに感じたワタクシなのだった。
 しかも、撤去作業は一回では終わらない。
 二度目は紙をダブルで使うことにしました。
 だが、「水に流さないでください、トイレに詰まる恐れがあります」という警告文が、どうも心に引っかかる。
 詰まるのかッ!?
 このままでは、詰まってしまうのかッ!?
 まさか、こんなコトでハラハラさせられるとは思わなかった。


 結局、作業はつつがなく終了したのだが、やはりトイレットペーパーがないと、困る。
 今すぐコンビニに買いに行かなくては…。
 だけど、夜中にトイレットペーパー「だけ」を買いに行けば、行きつけのコンビニの店員さんたちに
「あっ、あのひと、トイレの紙が無くなって、よっぽど困ったんだよ」
「クスクス」
「クスクスクス」
と、笑われるに違いない!
 そこでワタシは、
1)とりあえず少し立ち読みする
2)なんとなくビールを買う
3)ついついツマミを買う
4)たまたま目に付いたフリをして、トイレットペーパーを手に取る
5)ついでにレジで公共料金の払い込みもする
という計画を立ててから家を出て、なおかつ行きつけのコンビニを通り過ぎ、1軒先のコンビニでトイレットペーパーを買ったのであった。


 そして、なんとなくビールを飲みつつ書き上げたのが、以上のテキストになります。