ーOOO-不読書の春

 ここんとこ、会社の帰り道に時間が空く。
 なんかこう、1時間くらいあまる感じ。
 あれ、こんなにヒマだったっけ?
 どうしたことかと考えてみたら、ここ半年ぐらいのあいだに、ワタシの身近なところから本屋が消え去りつつあるのだった。


 なんといっても、行きつけのでっかい本屋さんがなくなっちゃったのが大きい。あそこは通路の広さとか品揃えの傾向とかが立ち読みするのに最適だったのだ。
 ほかにも、改装して店の面積が半分くらいになっちゃった本屋さんとか。
 行きつけのちっちゃい本屋さんはあるんだけれど、そこだと読みたい本が少なくて時間がつぶせないんですよね。


 「オレの立ち読みする時間が無くなった! だからヒマだ!」とか言っちゃって、どんだけオレはアホなんだって話なんですが。
 でも、すっかり全部立ち読みしたあとで「コレ、手元に持っておきたいなー」とか、ワタシはけっこうそういう買い方をするので。立ち読みと本を買う行為は、分けて考えることが出来ない。
 趣味の読書なんて、ほとんど衝動買いみたいなもんでしょ?


 それから、これは本屋の話では無いけれど、ワタシの通勤駅のキオスクがつぶれたんですよねー。
 アレはずいぶん読書環境が奪われた感じがしましたなぁ。
 朝イチでキオスクの棚とにらめっこして、コレと決めたヤツをザッと買って、電車の中で読むつーのは貴重な時間でありました。
 コンビニの本棚とキオスクの本棚では、コンビニの方が広いはずなのに、キオスクの方が種類が多く感じるんですよね。
 まあ、それはキオスクの熟練したオバチャンが熱心に手を入れているからなんですよね。そうじゃない新人さんが担当になったら、本棚に魅力が無くなって買いたくなくなっちゃったし。売れなくなれば、ますます本棚に力を入れなくなるし。コチラはますます買いたくなくなるし。
 そうこうしているうちにキオスクはつぶれてしまったのだな。ああ。


 「Amazonで買えばいいじゃん」と思うかもしれないけれど、それもねぇ。
 わかってて「コレが欲しい!」で買うんなら良いんだけど、Amazonを巡回していて「コレが読みたい!」ってキモチになったことがないんだよね。
 やっぱ立ち読みしに行ったときに、平積みの本の中から謎のオーラを感じて、うっかり手にとって、ついつい引き込まれて、ふらふらとレジへ…みたいなのが、ワタシにとっての読書なのだ。


 ワタシは胸を張るほどの読書家ではないけれど、それでも本屋さんが減っていくのはすごくさびしい。
 ちょっと足を伸ばして、居心地の良い本屋さんを開拓しなくてはなぁ。