ーOOO-ペットボトルとガラスビン

 なんのかんの言ってもいまだに炭酸飲料を飲みがちなワタクシだ。
 んで、なんだか最近スプライトが強炭酸になったらしい…とかいう噂を聞いたので、ちょっと飲んでみることに。
 「強炭酸になった」って言うけど、昔のスプライトはもともと強炭酸だったのだ。それが、なんかしんないけど微炭酸になっていって、どんどんスプライトらしさが無くなっていって、ですね−。…あーあ。ちぇっ。
 ま、いいや。
 自販機にお金を入れて、がっちゃーん。どれほど強炭酸であっても、この瞬間に揺すぶられて炭酸が中で抜けちゃうような気がするのだが…。
 ま、いいや。
 とにかくプシュッ!
 ごくごくごく。
 んー。
 まあまあだぁね。
 でもなんか、「らしさ」がすこし戻ってきたかも。


 さて本題。
 あの当時のスプライトと今回の復刻版では、やはりあの当時のほうが炭酸は強かった気がする。
 この違いはどこから来るのか? やはりレシピが違うのか?
 オレが大人になったから、炭酸飲料のプシューッとした感じに慣れてしまったので、いま同じモノを飲んでも炭酸が弱く感じるのか? もちろん、そういうことはあるだろう。
 「強炭酸」とはいっても、爆発事故を防ぐために炭酸を弱くしたと言うことはありそうだ。しかしあの当時はガラスビンで、今回はペットボトルなのだ。ペットボトルのほうが圧力には強いだろう。


 もうちょっと考えてみる。
 ペットボトルやアルミ缶と、ガラスビンでは、なにか決定的な違いがあるのではないか?


 ペットボトルやアルミ缶は柔らかいから、つかんだときに少しヘコんで、中の圧力が高まる。だから栓を開けるときに吹き出しやすいのだ。
 コレがガラスビンなら、ビンは堅くて変形しないから、栓を開けるその瞬間まで中の圧力は変わらない。


 ペットボトルは壊れにくいからこそ、普通の自動販売機で販売することが可能になったわけだが、ガチャ−ンと出てくる時に内部で揺すぶられて、炭酸が抜けてしまうのではないか。
 ガラスビンの炭酸飲料の自販機は、グッと引き抜く形になっているのだが、あれならば中身が揺すぶられにくく、炭酸はぬけにくいはずだ。


 コンビニなどでの商品の出し入れの際、ペットボトルならガンガン積んで、どんどん並べられてしまう。だから内部は揺すぶられて、どんどん炭酸が抜けてしまう。
 だがコレがガラスビンなら、輸送中は割れないように注意するだろうし、お店に出すときも少し慎重になるだろうし、買ったお客さんだって割れないように注意しながらソッと持って帰るだろう。もちろん、炭酸だって抜けにくいだろう。


 なんとなく、自分なりの答えが見えてきた。
 ガラスビンは、割れやすい。
 割れやすいがゆえに、壊さないようにソーッと取り扱われる。
 ソーッと取り扱われるがゆえに、中身が揺すぶられることが無く、だから炭酸が抜けない状態でワタシたちの手元に届くのではないだろうか。


 ペットボトルは壊れにくい。
 壊れにくいがゆえにガサツに扱われて、中身が揺すぶられて炭酸が抜けていく。
 自動販売機からガチャンと落ちてきて、最高に揺すぶられた状態で栓を開ける。ペットボトルは柔らかいから、栓を開けるときにボトルが少しつぶれる。だから、中身がブシューッと吹き出しやすい。
 このペットボトルの吹き出しやすさをいくらかでも解決するために、ガラスビンからペットボトルへの移行期に、炭酸飲料はどんどん微炭酸へ、微炭酸へと変化していったのではないだろうか。