ーOOO-卒業ソング
3月は仕事が忙しくて殺伐としていた弊社なのですが、そんな中でもとりあえずラジオさえつけておけば気持ちが和むものなのです。
あるとき、ラジオで卒業ソング特集っていうのをやってました。
それも、歌手が歌うヤツじゃ無くて、卒業式で歌われる合唱曲の特集で。番組の中では、学生の合唱団が歌う卒業ソングがたくさん流されたのでした。
それではお聞きください、旅立ちの日に。
「最近、こういう生歌を聴いてなかったな…。いいナ、生歌って」
「そういえばオレ、卒業式、きちんと歌えてなかったな…」
「卒業式…。なにもかもが懐かしい…」
ラジオから流れる若人たちの胸をつかむような歌声にグッときちゃったり、おのおの自分の、あるいは自分の子供の卒業式を想い出しちゃったりなんかして、仕事にならんのですよ。
同じラジオ番組を聞いてる人たちも、胸を揺すぶられたらしくて、この日はいっぱいメールが届く届く。
そんな中に、こんなメールがありました。
「ワタシは学校で給食のおばさんをしています。
ちょうどいま、子供たちが卒業の歌の練習をしている真っ最中です。
給食の準備をしているときや、給食が終わって食器を洗っているときには、窓の外から歌声が聞こえてきます。
最初は恥ずかしいのか、みんな声が小さくてそろっていないんだけど、だんだん声がそろってきて、歌が上手になってくるのがわかります。
うっとりするような歌声になってきて、もっとずっと聞いていたいなぁという気持になるころ、子供たちは卒業していってしまうのです」
番組の中でこんなメールがいっぱい読まれちゃったら、聞いてて泣いてしまうやろ! 仕事にならんのですよ。うわーん!
この卒業式ソング特集は評判が良かったのか、その翌週にも行われましたし、同じ放送局の別な番組でも卒業合唱ソング特集が行われまして。
そのたびに、ワレワレおっさんたちのココロのやらかい場所は、締め付けられちゃったりしたのでした。