ーOOO-「舟を編む」

 「舟を編む」という映画を見てきたですよ。
 もともと原作は、三浦しをんさんの小説です。
 去年の頭にちょっと立ち読みしたら、冒頭10ページ目でウルッと来ちゃいそうになってヤバかったから、買って帰ったのですが、その後も読みながら時々グッときちゃってですねー。でも「感動巨編!」という感じではなくて、ちいさな平凡な人生の重なり合う群像劇なのですが、みんなが自分の持ち場で頑張っているような話が大変個人的にツボなので、もうグッときてグッときて。
 辞書制作という長い長い船旅をコンパクトにまとめて描く都合上、登場人物のあれやらこれやらのエピソードに若干の物足りなさというかスキマがあって、「ほんとはもっといろいろあったんだろうなぁ」みたいな、読者の想像の余地がいっぱい残っていて、とても豊かな印象でした。
 「ああ、いい本だったなー」と思っていたら、2012年の本屋大賞を受賞して、そして今回映画化へと至った、という感じで。
 コレはもう、この映画をオレは見るしか無いだろう。
  


 見終わって。
 なにしろ原作を10ページ読んだ段階でウルッとくるほどこの物語が好きすぎるオレなので、冷静な判断が出来ないのですが、いやー、良かったですなぁ。ちょっとした笑い所と泣かせ所が交互に来て。文系の静かな熱血ストーリーという感じでよかったです。
 脚本は、映画化に際して原作をカットしながら駆け足気味だったのですが、キツキツじゃなくてユルさが感じられる仕上がりで、これまた好印象でした。
 辞書監修者の老教授役を加藤剛が演じていたのですが、大変に良かったですわ。というか、そのほかキャストがいちいち自分好みだったので、大変ハッピーな時間を過ごすことが出来ました。
「原作を大事に映画化してもらえて良かったなぁ」という印象を受けて、ファンとしてたいへんうれしかったです。まる。