私の柔道部物語 ─◯◯◯-

中学生の頃は柔道部員だった私。
中学入学の時に友達の柔道部見学に付きあったら、
いつの間にか私も入部していた、という展開…

二年生になる頃には私はちゃっかり団体戦のレギュラーで、
市内で我が校は3位だった。
別に私は強かったワケではなくて、
三年の先輩が二人しかいなかったから、穴埋め役でレギュラーだった。
それに柔道をやっている学校は市内に6校しか無かった。

翌年の中学三年生の夏の大会までに、
ウチの部の他の誰かが急に強くなることもなく、
わたしはまんまとレギュラーに居座ってしまった。
その年の我が部の団体戦チームは
二人は強いが三人弱いという、絶望的な編成だった。

ウチの顧問の先生は考えて、
先鋒を一番強く、以下次鋒・中堅・副将と弱くなり、大将が最も弱い、
という変則的な編成を編み出した。
そして私は中堅で、先生からは
「とにかく引き分けろ!」
という指示を受けた。どないせーっちゅうねん。
一番強い先鋒はたまたま小柄で、大将は体の大きいやつだったこともあって
この偽装作戦は結構うまくいった。
結果、無事に例年通りの団体市内3位だったわけだが。


その夏、柔道の段位認定試験があった。
流派によっても違うのだろうが、初段が黒帯で、
黒帯の試験は受けさえすればすぐ取れるという話だった。
みんなはぞろぞろと黒帯を取りに行ってたのだが、
私は簡単に取れるという黒帯に魅力を感じなかったので
試験を受けなかった。

高校に進んでからの私は柔道部には入らなかったのだが、
「中学までのの柔道は間接技が禁じ手だから簡単に黒帯が取れるけど、
 高校からはガチだから黒帯は取りにくいのだ」
とか後で聞いて、正直、あのとき取っときゃよかったと後悔した。