ーOOO-「宇宙の缶詰」
「老人力」「新解さんの謎」といった著作で有名な赤瀬川原平さんは、芥川賞作家であり、現代芸術家でもあり…、といったぐあいに多彩な顔を持つ訳なのですが。(→Wikipedia)
で、そんな氏の芸術作品に「宇宙の缶詰」というのがある。
どういうものかというと、んーとね。
カニの缶詰があるでしょ? 昔の、缶切りであけるようなヤツ。
それを缶切りであけて、まず中身を食べる、と。
んで、缶詰の外側に貼り付けてあるカニ缶のラベルを上手にはがして、それを缶詰の内側の壁に貼り付けて、出来上がり。
もしも自分の身体が小さくなったとして、この缶詰の内側に入って、元通りに缶にフタをしたとする。
この場合、外から見れば自分は「カニ缶の中に閉じ込められた」と見える。
でも缶詰の内側の自分が見れば「宇宙のすべてがカニ缶の『中』にある」という考え方だって出来る。
そう思いながらこのカニ缶を見ていると、四次元的というか、メビウスの輪を見ているような不思議な感じになる。