ーOOO-看板ねこ
駅の近所の居酒屋さんの玄関先に、よくネコがねっころがっている。
木の引き戸の前に、灰色のネコがてろんと横になっている。
お店やお客さんの邪魔になるんじゃないかなーと心配するけれど、そのお店のご主人は気にする風でもない。お客さんも「ちょっとごめんよ」なんて言いながら戸を開けている。
あーいうのは招き猫というか、看板娘ならぬ「看板ねこ」と呼んでもいいんじゃないか、ワタシはそんなことを思っている。
ところがここ最近は、その灰色ネコを見かけなかった。ここ最近の暑さでどこかに涼みに行ってしまったのかなー、なんて心配していたのだが。
さっき、その居酒屋さんの前を通ったら、その灰色ネコがねっころがっていた。
それも2匹の子猫と一緒に。
うひゃー♪ ふわふわのほわほわの茶トラ猫が2匹。
ん、そーだっ、ちょっと写真を撮らせてね。
ケータイを取り出し、そっと近寄ると…
お母さんネコが心配して、とおせんぼをします。
いや、そこをなんとか、写真だけですから… と母ねこに目で訴えます。
居酒屋さんの看板ネコだからか、母ねこは人慣れしているようで、すぐに警戒を解いて、ちょっと離れたところに腰を下ろして、こちらの様子をうかがっています。
一歩一歩、子猫に近づいていきます。
ケータイのショボっちいカメラでキレイに写真を撮るために、ワタシは本体機能のデジタルズームを使いません。そしてケータイからメモリーカード経由でパソコンに取り込んで、そこでリサイズ。もう、それにつきます。
なので、カメラのズームに頼らず、子ねこに一歩一歩、地味に地味に近づいていくわけです。
近づき過ぎると子ネコは「びくっ」とするので、ワタシは立ち止まったり、後ずさったり。子ネコ相手に「だるまさんが転んだ」みたいなことをやったりして。
そしてワタシはいよいよ子猫の目の前に。
さあ、いい顔して〜。そうそう、はい、チーズ。
その瞬間、後ろの道路を通りがかったヒトが、クシャミをした。
子ネコはビックリして、パッと散ってしまったとさ。
失敗写真だなーと思ったけれど、コレはコレで「子ネコがビックリした瞬間!」って感じで貴重なのでは?(んなことぁーない)