ーOOO-部屋と灯油ポンプと私
秋も深まり、めっきり寒くなってきたので、先日ストーブを出しました。
と言っても、特に片付けてあったワケじゃない。だらしなく出しっぱなしにしてたストーブの上に乗っかってた雑誌をどかして、ホコリをちょっと払っただけ。
だから「ストーブを出す」といっても「引っ張り出す」「取り出す」という感じではなくて、「掘り出す」「出土」という感じの方が近いかも。
んで久しぶりに使うストーブに灯油を入れようと、ぺこぺことポンプを握っていたら、古くなった灯油のポンプがひび割れていたらしく、手が灯油でびしゃびしゃになってしまった。
「うわ、まいった…」
と思いつつも、
「まー、いっかぁ。灯油ポンプなんか百円くらいでいつでも買えるし…」
とも思ったりして。
そもそも、ストーブに灯油を入れる時というのは、ストーブの油が切れてきたときで。
それは寒い日だからストーブをつけたのであって。
というか寒い夜で。
そういう日に灯油ポンプを買うために外出して、夜風に震えるのは考えたくないことで。
しかしそんなことを考えているうちに、ストーブはすっかり消えてしまい、だんだん部屋は寒くなってきて、もはや一刻の猶予もならない状態で。
でもポンプはまだ使えるんだし、ならチョットぐらい手が油臭くなってもいいから、とりあえず灯油を入れて寒さをしのごう… と考えるのは自然なことで。
とりあえず、寒さをしのげば灯油ポンプのことなどすっかり忘れ。
というか、今年の正月あたりからポンプの油漏れを我慢していたような…。
春になって、なんとなーくストーブを使わなくなったので、なんとなーく忘れていたような…。
そしてまた、なんとなーく灯油ポンプを買うのを忘れ。
灯油を入れるたびに「うわ、まいった…」と「まー、いっかぁ」を繰り返すワタシなのだった。
しかし先日の夜。
ボロ灯油ポンプのヒビはいよいよ大きくなり、握っても握っても「ふこー、ふここー」と手答えなく「すかー、すかー」と音をさせるばかり。
全く灯油が入らない。
そもそもストーブに灯油を入れる時というのは(中略)なので、大ピンチなのであった。
ええい、仕方がない。
意を決したワタシは寒空の下、近所のコンビニまで自転車を走らせる。
んが。そのコンビニに灯油ポンプは売ってなかった。
ぐぁーん。
あれー、ここ、ポンプ売ってなかったっけ? おかしいなー。
どうしよう、もっと先のコンビニまで行く? それともガソリンスタンド?
しかしこんな深夜。他のコンビニに行ってもポンプが買えるかどうかは定かではなく。24時間営業のガソリンスタンドは遠く。
とりあえず立ち読みして、あったか〜い缶コーヒーを買ったりして、帰った。
賢明なる読者の皆様ならお気づきのように、もちろん問題は解決していないワケで。
冷えきった身体で家に帰れば、部屋は夜の闇の勢力に溶け込んでしまったかのようだ。
真っ暗な家の中は、外と同じくらい寒い。
あったか〜いはずの缶コーヒーは、家に帰るまでのわずかの間に冷めかけていて、飲んだところであったか〜くはなりきれず。
とりあえず寝てしまおうにも、身体は冷たく。
…どうしよう。
そこで思いついたのが、コンビニの袋をポンプにかぶせてしまうことだった。
ポンプ本体というか持ち手全体にすっぽりとコンビニ袋をかぶせ、付け根でグッとしぼる。
こうすることでポンプ本体の傷口をカバーし、よけいな空気を吸い込む事なく、「ぺっこー、ぺっこー」「どじゃー、どじゃー」と無事に灯油を入れることに成功したのだった。
なーんだ。かんたんかんたん。
袋がボロくなったら、またとっかえればいいんだし。
そうだよ、別にもうポンプの油漏れで心配する必要はないんじゃないの?
っていうか、二度と灯油ポンプは買わないで済むんじゃないの?
んで、昨日の夜は。
灯油をぺこぺこ吸わせていたら、ますますいよいよポンプの傷口が大きくなった。
ポンプとコンビニ袋のスキマに灯油がたまったらしく、それがどんどんタレてきて、床は灯油でびしゃびしゃに。
うわ、まいった…。
まー、いっかぁ(←よくないよくない)