ーOOO-自由学園・明日館

an_dan_go2007-05-23

 こないだの月曜日は、池袋の自由学園・明日館というところへ都合上お出かけしてきました
 んで、壊れたメモリーカードから写真が読み出せたので、写真を貼りながら改めて説明などを。
 自由学園・明日館は、帝国ホテル旧本館を設計した名建築家フランク・ロイド・ライトと、ライトの弟子の遠藤新が設計した建物です。
 
 現在では重要文化財に指定されています。が、たとえばトイレは現代の水洗式になっている等々、建物が使われながら保存していく「動態保存」というスタイルを取っています。
 上から見ると建物は芝生を中心にして「コ」の字形に配置されています。
 その正面中央部分、ステンドグラスの裏側はホールになっていました。
 
 窓から天然の光があふれてくるため、明暗のメリハリがきいた空間になっています。次の写真は、左手側から強い光を受けつつ、同じホールの中の様子を撮ったものです。
 
 椅子やテーブルの一つ一つが小さくてかわいいです。小学生用の机って、こんなに小さかったかな? などと感慨にふけりました。小さいだけじゃなくて、机や椅子のデザインの独特さにも注目です。
 
 同じ位置から、こんどはやや見上げるようにして撮った一枚。天井が高いこととステンドグラスが大きいことが相まって、上方向にとても開放的。
 だけど部屋それ自体はそれほど広くなくて、置いてある椅子やテーブルが小さい。このため、コンパクトさ、ミニマムさとともに開放感を感じる、なんとも不思議な空間でした。


 
 ホールから食堂・トイレへと連なる廊下の部分です。
 天井の明るい部分は電灯ではなくて、光をふんだんに取り込む天窓になっていました。


 
 そして食堂。
 
 先ほどのホールと椅子やテーブルのデザインが違う。これらもどうやらライトの作品らしいです。
 しっかし、コレが元小学校ですよ? オシャレすぎます。


 さて、今度は外観。
 垂直に力強く真四角な柱が、パルテノン神殿のように規則正しく並んでいるのが特徴的。
 コの字型の建物の中央正面部分は、柱の間にステンドガラスをはめ込んであり、柱でありながらカベとしての役割を果たしている。
 
 しかし、建物の左右部分は、柱は柱として存在している。建物の教室部分と、石を敷き詰めた廊下。そして真四角な柱を挟んで、芝生のある庭へと続いている。
 
 強い雨が降れば、身体が濡れてしまいそうな廊下。建物と庭を遮る緩やかな境界線として、柱は存在している。
 
 先ほどの光があふれる天窓や、ステンドグラスと合わせ、この建物は自然との調和、一体感を考えて作られているように感じた。


 この日はたまたま飛行船が通りかかって、のんびりした気持ちになりました。
 
 あれこれオシャレ。なのにホッとするデザイン。なんかどことなく、和を感じる。なんつーの、10円玉の表側の、平等院鳳凰堂みたいな感じ? と思ったら、やっぱ平等院をイメージしていたらしいです。お、当たってた♪
 んで、せっかくだからもうちょっとテキトーなコトを言うなら。
 大正時代の池袋の街並みに似合うような、街に調和するような、和をイメージしたデザインをロイドは設計したのではないかなー? と思ったですよ。
 現在の池袋の街並みの中で、ココがワタシにとって日本らしさを強く感じる建築物となっていた…というのが面白いなぁと思いました。