ーOOO-「モナコ・マイスター」
今年もまた、モナコグランプリの季節がやってきた。
ワタシは昔はF1が大好きだったけれど、今はほとんど見ていない。だけど、モナコGPと鈴鹿GPの時だけは「ああ、今日はF1見なくちゃな」という気持ちになる。
Awesome tribute to the Monaco F1 Grand Prix and it's champs
世界で2番目に小さい国であるモナコ公国の、美しい海、華やかな街並み。
狭くてなんでもない一般道を、途方もない速度で走り抜けていく危うさ。
ゾッとするほど美しく、カッコ良い。
モナコで勝つことは大きな意味がある。
モナコGPが開催されるモンテカルロ市街地コースは、直線がほとんどなく道幅は狭い。さらにガードレールに視界をさえぎられる。
よって追い抜きがしにくい超テクニカルコースである。
市街地は通常のサーキットと異なり、路面が荒れていてタイヤに負担が大きい。
マシンの性能差以上にドライバーの技量差が顕著になり、ドライバーの腕が試されるコースである。
また、道幅が狭いため事故が起きやすく、生き残るためには強運も必要とされる。
このため「モナコGPでの1勝は、他のレースの2勝に値する」と言われ、レーサーにとって非常に名誉なことなのである。*1
伝統あるモナコGPの中でも思い出深いのが、1992年のアイルトン・セナとナイジェル・マンセルの一騎打ちだ。ちょっと検索をかけたら、MSNとYouTubeに良い記事と画像があったので、ぜひご覧ください。
92年、セナが駆るマクラーレン・ホンダは不振で、開幕から一度も勝ち星がないままモナコを迎えた。この年、モナコで優勝候補の筆頭に挙げられていたのが、開幕から5連勝中と圧倒的な強さを誇っていたウィリアムズ・ルノーに乗るナイジェル・マンセルだった。
『伝説の名勝負Vol.1』モナコGP(MSNスポーツ)
ー 中略 ー
レースは中盤まで大きな波乱もなく、PPから飛び出したマンセルが、5連勝中の勢いそのままにレースをリードしていった。78周で争われるモナコ。70周を過ぎ、いよいよレースも終盤に突入したころ、トップを快走していたマンセルに異変が起こる。
1992年F1モナコGP50回記念大会
モナコGPで最多の6勝を挙げたセナは「モナコ・マイスター」とたたえられた。
「セナの強さ」と「F1の危うさとゾッとする美しさ」に魅せられていた私は、後に深い悲しみを覚えた。
で、それ以来、なんとなく私はF1を見なくなってしまったのだけれど。
それでもF1は続いていくし、私は今でもモナコGPと鈴鹿GPの時だけはなぜか「ああ、今日はF1見なくちゃな」という気持ちになるのだった。
*1:主な出典はWikipedia「モンテカルロ市街地コース」「モナコ・マイスター」