ーOOO-ココロとカラダ

 リアル方面の友人たち数人で集まってバーベキューをする話になった。
 バーベキュー前日の夕方に、ワタシが幹事さんに確認の電話を入れた。
「もしもし、明日のバーベキューのことなんだけど…」
「えっ!? バーベキュー、明日だっけ!?」
 幹事さんが一日間違えていた。
 ドタン場になって…というか前日の夕方に、突然延期が決まってしまった。
 電話の向こうにいる幹事さんが、真っ青になっているのが伝わってくる。
 バーベキューが延期になったガッカリ感よりも、そういう幹事さんの気の毒さ・ツラさのほうが、ワタシをヒリヒリさせる。やっちゃいけないコトだけど、しくじっちゃう時ってあるよなー。
 会場を予約した日と、やるつもりだった日がバラバラなので、友人全員に連絡を取らなければならない。
「あのさ、雨が降りそうだから止めることにしよう、とか言っちゃえばいいんじゃないの?」
と私が言ったら、幹事さんは
「…うーん、あー。…いや、みんなにちゃんと謝るよ」
「…うーん、そっかー…。あー…。うん、頑張って」
 もう想像するだけで胃が痛くなる。大変だぁ。
 んで、ワタシはワタシで、こっちがわの友人に、明日のバーベキューが延期になったことを伝えなければならなかった。
 この友人は「えー、バーベキュー? オレなんかが行っても良いのかなぁ?」とか、「んー、なんかやっぱ遠慮しとくわ…」とか、引っ込み思案なヒトで、あんまり乗り気じゃないっぽかったのだが。
 明日のバーベキューが延期になりました、と伝えたら
「あー、そう、そうなの。…あのさ、ぶっちゃけ、すんごい残念だよね。…すんごい楽しみだったからさぁ」
と言うので、なんかすごくキモチが伝わってきて、ツラくなりました。


 その夜、家に帰ってから「明日は何にも予定がなくなっちゃったなぁ」と思ったら、ものすごく気が抜けてしまって、モーレツに眠くなったので、夜の9時頃に寝てしまいました。
 でも午前2時頃に目が覚めて、そのあとはもう何もしたくなくて、とにかく寝たいんだけど、ぜんぜん眠れなくて、真っ暗な部屋の中でダラダラとした時間を過ごしました。
 不意に
「自分は今、なんだか遠足に行く前の子供のような興奮をしているなぁ」
と思ったとき、
「ああ、自分も、バーベキューが延期になって、スゴく残念なんだなぁ」
と気がつきました。ようやく。
 太陽が昇ってきて、窓の外はうっすらと明るくなっていました。
 「幹事さん大変だなあ、気の毒だなぁ」とか、「あいつ、そんなにバーベキュー楽しみにしてたのか」とか、他人の気持ちはわかってあげるのに。
 理屈が自分のココロを押しつぶして、本当の自分の気持ちを抑えつけている。
 だけどカラダは、ココロや理屈を離れて、自分の気持ちに正直に反応している…。
 なんかそういうこと、あるよな…。
 いっぱいあったかもな…。
 そんなことを考えているうちに、眠ってしまいました。