ーOOO-オリオン座からの流星群

 こないだの土日はオリオン座流星群がスゴかったですな。2007年は10月21日の日曜日が極大、というか流星のピークだったのですが、みなさんはご覧になったでしょうか?
 で、いざ流星群っつーか星空を見ようと思うと、東京近郊は明るくてなかなか観測できないものですよね。
 今回ワタクシは、山梨県某所に行って星空を観測してきたです。
 ヤッホーヤッホー♪


 いつもバーベキューその他でお世話になる乗り遅れさんという方がいるのですが。
 この方のお母さんは、山梨県の農家を借りて、ときどき田舎暮らしをなさっているのだとか。
 んで今回は、その借家にお邪魔しました。
 この家は川の側に立っていて、四方をぐるりと山に囲まれたような場所に存在していました。60キロも行けば富士山だと言うことなのですが、近すぎて形は見えず。しかしこの周囲を囲まれた状況が余計な光を遮り、星空の観測にはもってこいでした。


 夜11時ごろに山手線Zさんが到着。
 空の上で明るく光っていた三日月も西の空に遠ざかり、空は一段と闇を濃くしていきます。
 天体観測にもってこいの空となりました。
 と言っても、望遠鏡ひとつ持ってきたわけでなく、ビール片手に流れ星を眺めようというノンキな集いなのでして。
 ひたひたと寒さが押し寄せてくる中、炭をおこして暖を取ります。闇の中に輝く炭の火を眺めていると、なんだかホッとしてくるモノでして。
 そして3人でボーッと、星空を眺めていました。


 乗り遅れさんは星を眺めるのが趣味で、昔は某所で天体観測の案内役をつとめたことがあるのだとか。うわー、知らなかった!
 ということで、今回は星空を眺めながら、流星群に関するお話がありました。
 図があると説明がわかりやすいので、こちらの猪名川天文台さんの流星群観測情報のページも併せてご覧くださいね。

 太陽の周りを、水金地火木…といった惑星が回っています。
 太陽の周りを回っているのは惑星だけではなくて、ハレー彗星といった彗星も回っています。


 彗星は、大きな氷やチリの塊です。
 これが、大きな楕円軌道を描きながら、太陽に近づいたり遠ざかったりしていきます。
 太陽に彗星が近づくと、強力な太陽の熱によって溶かされ、太陽から発生する太陽風によって太陽の反対側にチリが吹き飛ばされます。
 このチリや水蒸気が、彗星の「尾」なのです。


 さて、このとき吹き飛ばされたチリは、彗星の軌道上に残り、宇宙空間を漂い続けます。
 地球の軌道と彗星のチリの帯が重なったときに、チリが地球の引力に引き寄せられて、落下してきます。
 彗星のチリはごく小さなものなので、大気圏に突入したときに燃え尽きてしまいます。
 このチリが大気圏の摩擦で燃え尽きる現象が、流れ星なのです。


 今回のオリオン座流星群は、ハレー彗星が出したチリに由来するのです。

 そんなことを言っているうちに、あっ、アレかな?
 あっ、今度はハッキリ流れた!
 結構な頻度で、キラッ、キラッと流れていく。
 真横にキラッと一瞬、真っ直ぐにスーッと光が流れていく! 今のはデカかったね?
「タテに流れるより、ヨコに流れる方が大きく見えるんですよね」


 満天の星空は、決して暗闇の中の光ではなかった。
 あんなにたくさんの星を眺めたのは、本当に初めてだった。
 オリオン座の中には、細々とした名も知らぬ星がたくさんあった。
 望遠鏡を使ったわけでもないのに、あんなにたくさんの星が見えるとは思わなかった。子供のころに見たプラネタリウムよりもスゴかった。
「ほら、あそこにナントカ座があるでしょ…」
 星が多すぎて、ドレがドレやらわからない。
「あそこの、ひときわ明るく輝く星と…」
 みんなみんな、どの星も明るく輝いて見える。
 満天の星空は、思った以上に明るかった。
 そうして寒空の下、シーンとした星空を、ビール片手に3人で、飽きることなく眺めていた。


 「流れた!」って思えるほどハッキリと、しかもあんなにたくさんの流れ星を見たのは初めての経験だった。


 日曜日の夕方に荷物をまとめ、家に帰った。
「流れ星はいつだって観測できるんですよ、ホントはね」と、乗り遅れさん。
 予報では土曜の夜より、日曜日の夜のほうが流れ星が多く観測されるはずだった。
 でも自分の家で夜空を見上げても、いっこうに流れ星が見える気配はなかった。
 こちらで見るオリオン座は、なんだか弱々しかった。


余談:流れ星が見たいヒトは…

 今年は12月14日前後に「ふたご座流星群」というのが見られるようですよ。1時間あたりの流星が100個近くになるとのことなので、年末は要チェック!