ーOOO-おみあし
朝、調子悪いながらもイヤイヤ起きて家を出たら遅刻気味になって、駅から駅への乗換ダッシュで全力で走らなければならなかった。
朝は一分一秒を争う。他のお客さんだって全力で走る。
そして全力ダッシュで走っているオレを、女子高生のヒトが横からズイッと追い抜いていった。
現役女子高生のヒトは若さあふれる力走を見せ、改札でピッとタッチして、今まさに発車ベルが鳴り響くホームに駆け込み、目の前の電車のドアが閉まる瞬間に飛びこ…もうとしたその瞬間。
点字ブロックのあたりで、つんのめって「おっとっと」ってなった。
彼女は顔面から転びそうになったが、しかしソコは若さゆえか、バランスを崩すこともなく「おっとっと」で持ち直し、体勢を立て直して電車に飛び乗っていった。
しかしその瞬間、オレは見た。
彼女の真後ろから、しっかりと。
「おっとっと」ってなった瞬間、前のめりになって片足をあげて。
スカートはあられもなく広がり、彼女の二本の足の間に、たしかにはっきりとワタシは見てしまったのです。
彼女のスパッツを。
ああいう瞬間、「見えた!」って得した気分になるのはなんででしょーか。
「そうかー、スパッツかー」と、なぜか残念な気分になるのはなんでなんでしょーか。
そうそう、電車には乗り遅れて、遅刻しましたよ。