ーOOO-原酒は絵の具である

 さてさて、長々と書いてきたサントリー白州蒸留所見学レポートも、これが最後になります(予定)。
 本日は、白州蒸留所のウイスキー製造責任者の方との質疑応答の様子をお届けします。 
 

Q:「白州」のオススメの飲み方はありますか?

 「白州」のお酒の特徴をつぶさないような、オンザロックがオススメですね

Q:家ではどんなお酒をお飲みになるんですか?

 私ですか? 私は角瓶(笑)
 お客さんが来たときは白州を出しますけども(笑)


 こんな感じで、現場の職人さんによるゆかいなトークが炸裂しました。
(以下、断片的なメモに基づく再構成なので、記憶違いによる誤記が存在する可能性があります)



Q:蒸溜所の数はいくつあるんですか?

 日本には、ここ白州、山崎。それから他のメーカーさんを合わせても全部で6つしかありませんね。
 (※ 地酒、地ビールのような感じで、地方には「地ウイスキー」を作る工場がいくつかあるみたいです →wikipedia
 スコットランドには150くらいあります。
 これは、日本でいうと造り酒屋さんみたいな感じで、小さい蒸溜所がいくつもあるんですね。

Q:ウイスキーの貯蔵庫はクーラーがありませんでしたが、温度管理はしないのですか?

 まずしません。世界中どこのメーカーでもそうです。
 四季の変化、昼と夜の寒暖の差。そういう自然の変化に育まれて、ウイスキーは熟成されていくんですね。
 家庭でウイスキーは冷蔵庫に入れちゃダメですよ。
 (※タンパク質が固まって、白濁することがあるようです)
 封を切ったら、2〜3か月で飲んでください。でも、みなさんそんなに取っておかないでしょ?(笑)

Q:原料の麦によって味は変わるんですか?

 原料の麦はすべてスコットランド産です。品種が違うとかによって味が変わることはありません。

Q:ワインのように、ウイスキーにも「当たり年」はあるんですか

 ワインの場合、天候によってブドウが甘くなったとか、不作だったとかそういう理由で味が左右されますけれど。
 ウイスキーでは季節による味の変動はありません。

Q:ウイスキーブレンドでは、どれくらいの樽を混ぜて作られるのか?

 これはブレンダーが一樽一樽テイスティングしながら、「これは角瓶に向いてるな」とか「オールドに使おうか」と分類していって、だいたい100樽から200樽くらい混ぜて味を作り上げるんですね。
 「響」では30数種類の味のタイプを混ぜて作ります。
 シングルモルトでは、10数種類のタイプをブレンドして作られています。

Q:ウイスキーの味はブレンダーで決まるのか?

 私たち蒸溜所の人間は、良い原酒を作ります。これは、良い絵の具を作るようなものです。
 その絵の具を使って一枚の絵を描いていく。これがブレンダーの仕事です。


 化学分析が進んで、何とかの香りが0.00何%なんて出てくるようになってますけれど、人間の鼻にはかなわないんですね。「これはいいかおりだな」というのは、数字で表わせない。
 だから、ブレンダーの感覚は大事です。


次回予告

 これで終わりにするつもりだったけれど、もうちょっとだけ続くんじゃよ。
 → ーOOO-白州蒸溜所の話・まとめ編