ーOOO-メガネは顔の一部です

 ワタシは近眼なので、メガネをかけている。
 裸眼視力は0.08といったところ。
 コレ、どの程度に日常生活に困ってるかというと、たとえば冬に屋外から建物の中に入ったらメガネが曇って、ちょっとメガネを外してテーブルに置いて、ペーパータオルを持ってきたら、メガネがどこにあるかわからなくなっている。
 近眼というのは、モノが全く見えないわけではない。ボンヤリとは見える。だから、いつもの場所にあるペーパータオルは取ってこれる。
 でも、すぐそこにあるはずのメガネが見あたらない。
 必死になって探しても見つからない。
 恥を忍んで会社のヒトにメガネを探してくれと頼むと、ゲラゲラ笑いながら「ここにあるじゃん」と、すぐ目の前からヒョイと取ってくれる。アレは恥ずかしいものだ。
 本当に恥ずかしい。


 眼が悪い人にとってメガネを選ぶのはけっこう大変だ、みたいな話は以前書いた。(→こちら
 だからここではメガネのレンズの話をする。
 メガネの値段にもピンからキリまであるけれど、ワタシはあんまり安売りのメガネは買わないことにしている。フレームは良いんだけど、レンズはケチってはいけない。


 安いレンズは分厚くて、牛乳瓶の底みたいな不格好なモノになる。あと、メガネをかけたときに重い。鼻と耳に喰い込んできてしまう。
 屈折率の高い非球面レンズだと、薄く軽く仕上がる。だけどコレは高い。レンズ一枚3万円する。両目だと2枚で6万円だ。
 そもそも安売りの「レンズとフレーム、セットで7000円!」みたいなお店でも、視力が0.08くらいになると「レンズの在庫がありませんので」とか言われて、結局グレードの高い薄型レンズを取り寄せで買うハメになったりする。
 ワタシ程度の視力でコレだから、ワタシより視力の悪い人はもっと大変だ。近視かつ乱視のヒトはレンズの値段が1.5倍くらいになる。近視で乱視で老眼のヒトなんかは、レンズの値段が倍くらい高くなる。レンズ両目で10万円を超えちゃうんじゃないだろうか。


 で、カメラをやってるヒトは何となくわかるかもしれないけれど、レンズメーカーによって画像の歪み方は異なる。
 レンズの中央部は良いんだけれど、周辺部になると歪み方が異なる。
 それからガラスの透明度、屈折度や、表面コーティングの性質なんかによって、見える景色の明るさが異なる。
 HOYAとSEIKOだとずいぶん異なる。ガラスかブラスチックかでも異なる。
 このレンズの違いは、レンズの度が強ければ強いほど大きくなる。
 ワタシは眼が悪いので、新しいメガネに掛け替えるとしばらくの間、慣れるのに時間がかかる。頭痛がしたり、極端な場合は吐き気がする。もっとも、子供のころと違って今は極端に度の違うメガネをかけることはなくなったので、頭痛がするようなことは少なくなったが。


 そういうわけで、自分にあったメガネを買うのは手間なコトなのだった。
 なにしろレンズが2枚で6万円、フレームが3万円。あわせて9万円だ。
 値段が高いので、スペアのメガネを買うのはなかなか難しい。


 いったんメガネが壊れると、不自由な生活を強いられる。
 視力が悪くて度の強いレンズを使う場合、レンズの在庫がメガネ屋さんに無くて、工場から取り寄せになる場合がある。
 それまで以前使っていたメガネをかけて乗り切れれば良いんだけど、メガネを買い換えるときというのはだいたい壊れたときなので、状態の良いメガネが手元にある可能性は薄い。
 状態のよい古いメガネが出てきても、今までのメガネから、古いメガネのレンズの見え方に慣れる必要がある。これもめんどくさい。


 長々と書いたんだけど、何が言いたいかというと、ホントに視力の悪い人にとって、メガネは「顔から切り離すことの出来ない重要な」一部なのだ、ということで。
 メガネを取りあげられてオモチャにされちゃうと非常に困るし、時には腹が立つことだってあるよね、みたいなお話。