ーOOO-6本のシングルモルトをくらべてみれば
山梨県にあるサントリー白州蒸溜所へ行った話の続きです。
前回はウイスキー工場の見学レポートでしたが、今回はテイスティング講座のお話です。
私たちが受講したのは『時が育むシングルモルトの魅力講座』。
シングルモルトウイスキーにも、熟成年数や構成する原酒によって、その味わいは大きく異なります。本講座では熟成年数の違う「山崎10年・12年・18年」「白州10年・12年・18年」を飲みくらべ、個性の違いと、味わいの広がりを体験していただきます。
と、いうことでセミナー会場にはズラリとウイスキーが準備されていました。
それぞれのグラスにはフタがされ、ホコリが入らないように、アルコールやアロマが飛ばないような配慮が。
写真左上から右に「白州10年・12年・18年」。
左下から「山崎10年・12年・18年」。
熟成が進めば色が濃くなる…という単純なものではないようです。
そしておつまみにはなぜか和菓子が。
写真中央上より時計回りに「黒豆甘納豆」「月餅」「シナモンとアーモンドの粉の打菓子」「かりんとう」「チーズおかき」。
早速じゃんじゃん飲んだり食べたりしたいキモチはやまやまですが、これは飲み会ではなくてシングルモルトウイスキー講座。
まずは白州蒸留所の責任者さんのあいさつからスタートです。
ところで、シングルモルトウイスキーって何だろう?
ここまでさんざん「シングルモルトウイスキー」って書いてきましたが、さて、シングルモルトウイスキーって、なんでしょうか?
ウイスキー原酒はモルトウイスキー原酒とグレーンウイスキー原酒の2つに大別されます。
そしてモルトウイスキーの中でも、一つの蒸溜所の原酒だけで作られたウイスキーのことを「シングルモルトウイスキー」と言います。
原酒づくりや熟成に大きな影響を与える水や気候などの自然、つまり蒸溜所の風土を色濃く映し出した個性的なウイスキーだと言えるでしょう。
(→シングルモルトの定義 - サントリー)
wikipediaにはより詳しいウイスキーの分類がありましたので、興味がありましたらこちらもどうぞ。
ほかにもいろいろウイスキーについて学んだんですが、詳しいことはコチラにまとまってます。(→ウイスキー - Q&Aお客様センター - サントリー)
いよいよテイスティング
「日本のウイスキー製造の歴史」や、「ウイスキーは健康に良い!」といった講義を拝聴した後、いよいよテイスティングです!
テイスティングのポイントは、以下の4つ。
- 色を見る
- 香りを楽しむ … 注いだときに漂ってくる香りを確認する(ノージング)
- 口に含む … 舌、口中で味覚を分析する(テイスティング)
- 余韻を楽しむ … のどごしや後味(アフター・テイスト)を確認する
以上のポイントに注意しながらウイスキーを楽しんでいきます。
前出の6つのウイスキーの中から、いちばん左上の「白州10年」にチャレンジです。
で、色を見ます。
黄金色、と。
ってか、みんな黄金色…。細かな色の違いを言葉で表わすのは難しいなぁ…。
ふたを開けて香りをかぐ…。香ばしい。香ばしいなぁ。
口に含む。
…普段はビール党のワタシに、シングルモルトのストレートはキョーレツ。飲めなくはないけど、舐めるようにちびちびと飲む。
うーん、ウイスキーだ。でも以前飲んだ「何か」とは違う感じが。辛くてサラっとしてるかな?
わかったようなわかんないような感想を胸に、首をひねっていると
「テイスティングをするときは、水とウイスキーを1:1の割合で割ってやると、味と香りが良くわかるようになります。アルコールの濃度が約20%になることで、テイスティングに最適な状態になると言われており、ブレンダーもこうして水で割ってテイスティングを行なっています」
水で割ってもいいんじゃん!
んでこのとき用意されていたのが南アルプス天然水だったのですが、ウイスキーの仕込みの水と同じ水で水割りを作るのは、マッチングが良いのだそうです。
で、この状態でもう一口。
…あ、味がわかりやすくなった! 飲みやすい飲みやすい。
でもこの感じ、なんて説明したらいいのかな?
と、ここで「白州10年」の味わいのポイントを教えていただきます。
うーん、あんなふうにスッキリとは説明できないな。ってか、クッキーとか青リンゴって?
いや、待てよ、スッキリとした感じはミントっぽいし、ほのかな甘さも感じられたから青リンゴっぽいって言えば、青リンゴかな?
ぶつぶつ考えながら、次の1品にチャレンジです。今度は「白州12年」。
上はさっきと同じ写真。ってか、撮り忘れました。もうテイスティングに夢中です。っつーか軽く酔っぱらってきています。
10年と12年。2年違うだけじゃん?と思ったんだけど、口に含んだとたん違いがハッキリわかった。少し焦げたようなニオイ。これが樽の香り?
これが18年になると、さらに焦げ臭くなる。スモーキー! でも味はさらに複雑になっています。甘みも強いかな? 森のような青い臭いが濃くなって、コレはなんて言ったらいいのかな?
わかるわかる、違いがわかる! 面白いなぁ。
そしてここから「山崎10年」にチャレンジです。
あ、森の臭いがしない。スゴい飲みやすい。でも物足りないかな?
「山崎12年」。思ったほどスモーキーにはならないな。飲みやすいなー。
「山崎18年」。スモーキーさがふんわりと? 飲みやすいなー。でも奥深い味。これも好きかなぁ。
と、ここで「白州10年」に戻って。んー、コレは特徴的。
ぐるぐる、ぐるぐる…。
6種類それぞれの味の違いを自分のコトバでメモしようと思ったけど、ボキャブラリーがなかったのと、途中で酔いが回ってきて記事どころじゃなくなったので、メモはそっちのけ。真っ白なままになってしまった。
ところで最初にウイスキーと一緒に出てきた和菓子は、「ウイスキーに相性の良いおつまみ」だそうで「ぜひ相性をお確かめください」というお話でしたが、ぶっちゃけ全部美味しかったですな。
繊細な味のものはウイスキーの味を殺さないです。でもチーズみたいなものも相性が良かったです。
ってか酔いが回っているので、判定基準がカナリに甘くなっています。
さらに今回は試せませんでしたが、サントリーさんおすすめのおつまみというのがあって、
- 山崎12年
- 鰆の西京焼き
- 白州12年
- 岩魚の薫製・塩焼き
が、あうのだそーです。なんかもー、フツーにすごく美味そうです。
ってか逆に、ウイスキーに合わない食べ物って何なんだろうなぁ? 今度飲みに行ったら、あれこれ試してみたいです。
でも、チェーン系の居酒屋に行くとテキトーな水割りしか出てこなそうですよね? まずは、おいしいウイスキーの水割りを出してくれるお店を探すのが先、でしょうか。
ここで「すごいハイボール」の作り方を教わりました。
実際にその場で試してみました。(スライドとはちょっと違います →水割り →ハイボール)
1.グラスにいっぱい氷を入れて、マドラーで良くかき混ぜる
・氷の角が取れて、溶けにくい氷になる
・グラスが良く冷える
2.グラスに良く冷えたウイスキーを注ぎ、マドラーで13回かき混ぜる
・ウイスキーが水に混ざるとき希釈熱が発生するので、これを冷ます
3.さらに氷をいっぱい足す
4.グラスに良く冷えたソーダを注ぐ
・ウイスキー1:ソーダ3の割合になるように
5.炭酸が逃げないように、縦に1回マドラーでかき混ぜる
またちがった味わいで、美味しかったです。
コレは白州で作りましたが、白州の持つほんのりした甘みと若葉のような爽やかさに、炭酸水のきりっとした酸味が加わり、口の中がシュワッと爽やかになりました。
雑感
テイスティングは楽しかったですねー。
ワタシはウイスキーは年に何回か飲む程度で、普段はビール党だったんですが、「ウイスキー美味しいなぁ」と思えました。
そもそもウイスキーが6種類、飲み方もストレート・水割り・ハイボールと3種類ということで、自分好みの飲み方が必ず見つかると思います。
とか書きながら、アレもコレも美味しかったなぁという記憶しか残ってないんですよね。なんか楽しかったので、自分用のおみやげにウイスキーのミニボトルを4本セットで買ってしまいました。ひとりでチビチビとテイスティングをして楽しみますです。
飲んだのはほんのちょっとの量だったんだけど、ワタシはけっこう酔いが回っちゃいました。でも周りのみなさんは全然平気でしたねぇ。みなさんお強いです。
次回予告
自分が思ってたより書いてて長くなってきてますが、あとちょっとだけ続きを書きますです。
次回は工場の方との質疑応答編です。
→ ーOOO-原酒は絵の具である