ーOOO-自縛
仕事が多忙で疲れていたし、5日は一番忙しい日だし早朝出勤だしで、4日の夜はさっさと寝ることにした。はずだった。
布団に横になることしばし。
しかしワタシは、草木でさえも眠るはずの丑三つ時になっても眠れないままでいた。
なんつーか、遠足に行く前の日みたいに興奮してる感じ?
おかしいな、明日は仕事のハズなのに。なんでこんなキモチに?
脳みそがグルグル働いて、なかなか眠れない。
でもカラダはすっかり疲れている。
時計を確認しようと目を開けるが、スッと勝手にまぶたが閉じてしまう。
寝返りを打つのも面倒くさい。
カラダがどっしりと重く、自分のモノじゃないみたいで、指一本動かすのもおっくうだ。
眠れない眠れないと考えると気が焦る。自分を落ち着かせなくては。とりあえず横になっているんだし、疲れは回復に向かっているはずだ。そう考えると少し楽になった。
そうだ、考え方を変えればいいんだ。
意識がハッキリしているのにカラダが動かせないってコトは、コレは金縛りなんじゃないだろうか?
そうだ! オレはいま、金縛りにかかってるんだ!
そう考えると、カラダはどんどんと鉛のように重くなっていく、気がした。
金縛りって、恐怖体験じゃなかったっけ? でも、ちっとも怖くないなー。
寝返り一つ打てず、指一本動かせず。
カンペキに自己暗示的な状態ではあったが、ワタシはこうして初めての金縛りをエンジョイしていた。
時は過ぎゆく。
と、ワタシはなんだかトイレに行きたくなった。
金縛りにかかってても、生理現象は待ったなしらしい。
うわ、トイレどーしよう? でも金縛りだし…。
困った! 金縛り怖いッ!
このままだと、大変なコトに…ッ!
と思ったけど、スッと起きてトイレに行けた。