ーOOO-檄!中国雑伎団

 28日の笑っていいともに、中国雑伎団が出演していた。
 年端もいかぬ女の子が、自分の背丈の倍以上もあるような一輪車に乗って登場。
 さっそくアタマの上にドンブリをのっけてみせた。
 そして、一輪車から片足を放して運転!
 さらに、放した足にドンブリを! 3個も載っけた!!
 そこからさらに、そのドンブリを蹴り上げて、全て自分の頭の上のドンブリにのっけてみせる…っ、というところで悲劇が起こった。
 蹴り上げたドンブリはアタマの上に収まらず、がしゃーんと床に散らばった。
 気をとり直して、もう一回チャレンジ。
 がっしゃーん。またもや失敗。
 時刻は12時52分。ラストのコーナーなので時間に猶予はなかったが、さらにもう一回チャレンジ。
 がっしゃぁーん!!!
 無情にもドンブリは弾かれ、床に散らばる前に女の子はソレを自分でキャッチした。
 1回も成功することなく、中国雑伎団は退場していった。


 中国雑伎団が失敗するなんて! いままでそんなシーンは見たことがなかった。どんなに難しい技でも絶対に成功させるモノだと思いこんで見てたので、かなりビックリした。
 …と思いながら検索をかけてみたら、中国雑伎団の生放送中の失敗はこれまでにも無かったワケでは無いみたい。そりゃそうだ、にんげんだもの
 しかしまあ、あとであの女の子はすんごい怒られたんだろうなぁとか、でもこういう経験をバネに立派なスターになってくれるといいなぁと思ったりした。


 それにしても、中国雑伎団の人というのは謎だ。
 出てくるのは若い子ばかり。中年になっても演技している団員というのは見たことがないので、年齢制限があるんじゃないかと思う。
 年をとったらあの人たちは何をしているんだろうか?
 後進の指導だろうか? でも指導者になるにはソレはソレで特別な才能が必要だ。人数を考えれば、みんながみんな後進の指導にあたっているワケではないだろう。


 こんな仮説を立ててみた。
 雑伎団の団員は、演技が上手になるとだんだん高難度の技を要求されるようになってくる。
 難度が上がって上がって上がりまくると、ちょっとした失敗が死につながるような、そんな雑伎を要求されるはずだ、
 そこで、ちょっとした失敗が起こって…。
 こうして中国雑伎団は、いつまでも若い人達が演技を続けるサーカスとして存在し続けたのでした。
 めでたしめでたし。


 ちょっと殺伐としてるって?
 うん、それはそうだ。今の無し無し。


 もっとフツーなんだと思うな。
 中国雑伎団のみんなも、オトナになれば恋をして、普通の人と結婚して普通の生活をおくるんじゃないかな。
 昔は中国雑伎団だったけれど、今はラーメン屋の主人とか、な。
 で、ジャッキーチェンみたいな客が来ると、
「オメエに喰わせるタンメンはネェ!」
かなんか言って、街角でタンメンの入ったドンブリ片手に大立ち回りを演じるんだ。
 クンフー映画に出てくるようなフツーの中国の下町の風景は、そういうふうにして育まれているんだと思う。