ーOOO-Touch&Try TENORI-ON!

 こないだの月曜日は、AMNさん主催のブロガーイベント「CEATECとデジタルコンバージェンスの未来」に行ってきたですよ。
 

CEATEC JAPAN』は今年で9回目を迎える、アジア最大規模の最先端IT・エレクトロニクス総合展です。
今回のブロガーミーティングは『CEATEC JAPAN 2008』の開催に先立って、「デジタルコンバージェンス」のこれからや「CEATEC JAPAN」の未来について、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。
イベント当日は、今年出展されるヤマハ株式会社様にもご協力頂き、CEATEC当日の出展内容のご紹介や、話題の音楽インターフェース「TENORI-ON」の展示/デモを行って頂きます。

と言うことだったんですが、ワタクシが個人的に一番興味があったのは、何と言ってもこの「TENORI-ON」だったのですよ。是非この目で見て、あわよくば触っちゃおうかなー、なんてね。
 
 さて、TENORI-ONっていったい何なんでしょうか?
 はてなキーワードによれば

メディアアーティスト・岩井俊雄YAMAHAのコラボレーションによって生まれた、光と音のインターフェイス

と、いうことになってますが。
 従来の「楽器」のくくりでは語れないような、「光と音のインターフェイス」あるいは「インタラクティブなアート作品」。でもこれはやっぱり「楽器」なのです。

TENORI-ONの出来るまで

 
 TENORI-ONの開発秘話をYAMAHA開発戦略室の杉井清久さんに伺いました。
 そもそも岩井俊雄さんは、手回しオルゴールからを着想を得たのだとか。
 
 手回しオルゴールに穴を開けた紙を差し、回してやると穴の通りに音が鳴る。
 そこで、ハッピーバースデーの曲のカードを逆に差して鳴らしてみたらどうなるか? 試したところ、もの悲しい曲が流れた。「これは面白い!」
 また、穴の空いた紙の模様も美しかったことから「音楽というのは、デザインされているモノだよね?」と思ったのだとか。
 
 岩井さんがYAMAHAに企画を持ちかけた段階で、頭の中では完成形が見えていたようで、岩井さんはコンセプトスケッチだけでなく木でコンセプトモデルを作ってきて「これくらいの大きさで、こんな形で…」というのがハッキリ示されていたのだとか。
 YAMAHAの方は当初ポカーンとして「なんなのかよくわからなかった」ということで、当初は「どこがどうなると面白くなるのか」の検証からはじめたのだとか。
 岩井さんのこだわりは随所に現われています。
 たとえばそれは、ボタンのクリック感。軽くてはダメ、固すぎず、押した手応えのするモノを…ということで担当の方は次々にダメ出しされて苦労したそうです。
 
 たとえばそれは、素材感。コストを考えればボディはプラスチックで作るところですが「触ったときにヒンヤリしないとダメだよね」ということで、このヒンヤリ感を実現するためにマグネシウムを素材にして作ることになりました。
 マグネシウムは非常に加工が難しい素材で、TENORI-ONのボディのように大きくて複雑な形のマグネシウムの加工は前例がありません。さらに、ノートパソコンのマグネシウムボディはたいてい黒っぽくなっているのですが、TENORI-ONはシルバーのヘアライン加工。一方向に擦り傷を付けて曇らせたような加工なんですが、曲面と角の組み合わさった面に均一にこの加工を施すのには並々ならぬ苦労があったようです。
 加工が難しいので高価になってしまう。また、月産数百台しか作れないので、TENORI-ONは現在予約抽選販売という形を取っているということです。


 より詳しい開発秘話に興味がある方はこちらをどうぞ。

TENORI-ONのデモ

 開発秘話が一段落したところで、杉井さんによる操作説明を兼ねたデモンストレーションが行なわれました。
 操作は基本的に16×16個のボタンと、左右の10個のファンクションキーを使って行なわれます。ポチポチとボタンを押していくと、いつの間にか曲のようなモノが出来上がっていくという不思議。
 今回のイベントに参加したmbdbさんが、デモの模様をYouTubeにアップしていたので、それをご覧ください。
  
 個人的にワタシは先日、WIRE08っていうイベントでYAMAHAさんがTENORI-ONの体験ブースを出していたので、ちょっと触ったことがあったのですね。でもその時は説明がほとんど無くって、しかもテクノのイベントで耳をヤラれちゃってたので音が全く聞こえない。
 なので、ワタシはちょっと触って「なんでぇ、テノリオンこんなモンかよ」と思って、ガッカリっつーか見くびっていたのです。
 でもこのデモは開発者の方が全機能を説明しながら演奏をしてみせるので、スゴくわかりやすかったです。
 この動画は、TENORI-ONを知らない人はもちろん、一度触ってガッカリしちゃった人にも是非見ていただきたいなぁ、と思いました。


 動画の中から、印象深かった話を。
 3分15秒あたりからの「ランダムモード」の説明から。
「世の音楽家の方々から非常に大ウケのモードでして。それはどうしてって聞きましたら、『音楽って言うのは左から右に行くモンなんですよ。コレは右から左に行ったりなんかして、どういうことですか』って。『非常におかしな現象が起こっている』っておっしゃるんですねぇ」

Touch&Try TENORI-ON!

 イベントが終わった後に会場の角で、開発の方とお話をしながらTENORI-ONに触るチャンスがあったですよ。常に周りに人垣が出来ていて、触ってる人はスゴく楽しそうなんだけど、ふと我に返って「よろしかったら、どなたか触りませんか」みたいな感じで譲り合うような、そういうノリだったです。
 

 ワタクシも触ってみたですよ。
 以前触った時よりも、機能がアタマに入っている分だけあれこれ試せました。
「思い通りにならないなぁ、んーと、何か別の機能…」
とか考えながら真剣にガムシャラに触っているとちっとも楽しくなくて、
「あれ、気が付いたら曲っぽくなってる?」
って思ってからがチョー楽しい♪
 気軽にテキトーにボタンを押しているだけで、何かが起こります。


 うーん、この感じは、ぜひ触っていただくしかないでしょうね。
 気になるアナタは、幕張メッセで2008年9月30日〜10月4日にかけて開催されるCEATEC JAPAN 2008のヤマハブースに行ってみましょう。
 また、TENORI-ONに実際に触れる展示会は、音楽イベントのヤマハブースに置いてあるときがあります。それから、都内では新宿区初台のICC、それからTOWER RECORDS 渋谷店に置いてあるようです。(→そのほかの展示店舗一覧

オマケ

  

boots got a new toy - YouTube