ーOOO-最も大事なモノを守る堅牢性…ThinkPad
先日ThinkPadブロガーミーティングに参加してきました、と書いてから10日ほど経ちました。
海の向こうでは最新機種のThinkPadX200sやX301が発表されたようで、タイミング的に惜しかったなーという気持ちです。
それでも今回のイベントで直接開発者の方々にあれこれお話を伺ったことはやはり貴重な体験でしたし、せっかくですのでレポートを書いてみます。
何回かに分けて長くなると思いますが、よろしくお付き合いください。
先にまとめから書いてしまいます。
ThinkPadは「一流のプロの道具」であることを目指して設計され、
堅牢性と使い心地を重視しながら最新の技術が盛り込まれている
拷問テスト
ますはThinkPadの堅牢性について書いてみようと思います。
ThinkPadはその製品化に際し、堅牢性に対する評価基準があるそうです。これを満たしているかどうかを確認するために、様々な社内評価試験を行ないます。
これらの試験をlenovoでは「拷問テスト」と呼んでいるのだそうです。
そしてお客様の声を受け、評価基準や試験内容は年々進化しているのだとか。
・局所荷重試験
これは液晶パネルの裏面にあたる天板を、ハンマーのようなもので100回押す試験です。
某社製のタフネスモバイルノートは壊れることはありませんでしたが、天板がベッコリとヘコんだまま形が元に戻りませんでした。
ThinkPadは当然、この試験をクリアしています。
・LCDひねり試験
液晶パネル裏を、100回ランダムな場所を押す試験です。これは、満員の通勤電車でカバンの中に入った状態のノートパソコンを想定した試験です。
某社製のスリムノートパソコンは、裏側から押されることで液晶が内部で割れて全面的に虹がかかったような状態になっていました。
もちろんThinkPadはこの試験をクリアしています。
・液体滴下試験
本体に水をこぼしても平気かどうかの試験です。
最新のThinkPadでは、キーボード基盤の周囲にエッジというか雨どいのようなものが設けてあり、排水穴を通って本体の裏面に排出されるようになっています。これをThinkPadドレインシステムと呼びます。
コップの牛乳をキーボードにこぼした程度では故障しません。
・落下試験
本体を様々な角度や条件で落下させる試験です。
この試験をクリアするために、ThinkPadには様々な技術が盛り込まれています。
- ThinkPad Roll Cage
レーシングカーの車体には、車体の剛性を上げ乗員を守るために、鉄パイプが張り巡らされています。これをロールケージと呼びます。
これにヒントを得て、ThinkPadは本体内部の基盤を守るために、筐体の強度を上げるために、盛り上がったカベを設けたり、小箱状の構造を組み合わせてあります。
これをThinkPadロールケージと呼びます。
- Hover Design
基盤を機構部分に固定するのを止め、本体上下のパーツは基盤を挟み込まないようにして直接固定する構造になっています。
このことにより基盤は他のパーツからの力や衝撃を受けることがありません。
これをホバーデザインと呼びます。
HDDは最も価値のある部品である
Lenovoの開発技監である福島さんは、こうおっしゃいました。
「パソコンの中にはCPUなど高価な部品がたくさんあります。しかし我々は、HDDこそ最も価値のある部品であると考えます。部品は取り替えがききますが、お客様の大切なデータは取り返しがつかないものだからです。
そこで我々は、HDDは最優先で保護されてしかるべき部品であると考えます」
これまで紹介してきたロールケージ構造に代表される本体の堅牢性は、HDDの保護に効いてきます。
さらに、
- HDDをショック保護ラバーでくるむ
- 浮動式のHDDコネクター
- 特殊ゴム足形状
・Active Protection System
さらに、アクティブプロテクションシステムというのが装備されています。
HDDは内部で高速に回転するシリンダーからヘッドがデータを読み出す構造です。衝撃が加わった瞬間にHDDが動いていると、シリンダーとヘッドが接触すると故障の原因になります。
これを避けるため、ThinkPadは内部に衝撃センサーが装備され(!)、机の上から落っこちた瞬間に「これは落下している最中だ」と判断したら即座にHDDの回転を止め、ヘッドを退避させます。
ちなみにこの衝撃センサー、電車に乗ってThinkPadを使っているときは、その揺れの特性から「現在は電車の中だろう」と判断して、HDDを正常に動作させるシステムになっているのだとか。揺れれば常にHDDが止まるわけではなく、あくまでも落下したときだけ働くシステムなのだそうです。
次回予告
やっぱし書いてると長くなりますなー。
次回はThinkPadの使い心地についてレポートしたいと思っています。
気長にお付き合いください。