ーOOO-モバイルブロードバンドの時代へ...Intel

 CEATEC JAPAN 2008のテーマは
『デジタルコンバージェンス、新たなるステージへ』
である。
 メディアやテクノロジーが集約するデジタルコンバージェンスの波は、人々の生活や社会活動にどのような恩恵をもたらすだろう?
 今回のIntelのアナンド・チャンドラシーカ氏によるゲストスピーチは、Intelそれ自体の新製品発表こそなかったものの、今回のCEATECのオープニングを飾るにふさわしいスピーチだったといえるだろう。


 アナンド・チャンドラシーカ氏はこう語る。
 インターネットは年々データの通信量が増え続けている。SNS動画共有サイトのような、5年前には考えられなかったような使われ方をしている。
 
 ユーザーは携帯環境でのインターネットに満足していない。人々はより高速なモバイルブロードバンド環境を欲している。
 これを実現するために、新たに登場したのが
 

である。

モバイルWiMAX

 ここでUQコミュニケーションズの紹介があった(→ホームページ)。
   
 UQコミュニケーションズはKDDIグループの移動体通信会社である。IntelUQの第2位の株主である。2.5GHz帯を利用する次世代高速無線通信事業の免許を受けている。
 2009年2月に東京都内でトライアルサービスを開始し、夏には関東から中部にかけて本サービスを開始する予定である。
 WiMAXのデバイスはオープンにし、各メーカーに自由にどんどん端末を作ってもらいたいと考えている。サービス開始当初はカード型端末を出す予定だが、夏には各社からWiMAXを内蔵したPCが出荷されるであろう、ということだ。

動画再生

 動画再生環境のデモンストレーションとして、CPUにAtomを搭載した超小型ノートPC、OQO(今回のデモで使用されているOQOのCPUやチップセットは不明であり、未発売のモデルである)を使って、モバイルHD再生(1080p)のデモンストレーションが行われた。
 コマ落ちすることなく滑らかにカンフーパンダが再生された。Atomを積んだ比較的低スペックのPCでも、HD動画再生に十分な性能がある。
 


ホーム環境でのシンクライアント

 強力なデスクトップマシンでシューティングゲームのプログラムを動作させ、無線LANで繋がれたWillcomD4でゲームをプレイするというデモも行われた。
 ゲームの操作はD4で行う。デスクトップマシンは遠隔操作され、そのプレイ画面は手元のD4で再生された。操作のタイムラグや画面の遅延はほぼなく、100分の1秒を見切ることができるヘビーなゲーマーでない限り、通常のプレイは十分に可能であろう。
 ネットブックのように非力な端末でも、高速な通信回線と高速なデスクトップマシンがあれば、重量級のゲームのプレイでも十分に満足できる環境が整う。
 

ネット接続型カーナビ

    
 ネットに高速で常時接続することによって新しい価値を生み出す端末の例として、クラリオンから次世代型カーナビゲーションシステムのプレゼンテーションが行われた。
 

↑ クラリオン 「マインド」

 
 クラリオンの「マインド」の基本はカーナビである。
 インターネットに接続していることで、リアルタイムの道路交通情報、周辺のショップ情報などを検索、表示することが可能である。

 
 また、YouTubeの再生も可能である。

世界最小のPC基盤

 
 チャンドラシーカ氏はここで、コンパクトなPC基盤を取り出して見せた。この基盤の上にCPU、チップセットなどを含め、すべての機能が実装された状態であるという。
 この基盤を使ってどんなものが生まれるのか、コンセプトモデルが紹介された。

 
 全体が画面になっている、超薄型端末。

 
 先ほどの物とは別の端末。一見、地味な電話に見えるが...

 
 パッと開くと、キーボードと液晶画面が出てくる。

 
 さらにひっくり返してたたむと音楽再生端末。

 
 もう一段たたむと別な形に。


モバイルブロードバンドの時代へ

 ここで私なりのまとめを書かせていただく。
 モバイルインターネットが急速に普及した現在、

  • パフォーマンスが高く、低消費電力なデバイス
  • 高速なワイヤレスブロードバンド接続

が求められている。
 インテルAtomWiMAXといった技術が組み合わさることにより、今後のモバイルブロードバンド時代が切り開かれていくことを期待したい。