ーOOO-スキンシップ・フレンドシップ

 いつも愉快な弊社の休憩室で、上司のヒトがシップを貼るのに苦労していた。
 お医者さんでもらうような、業務用の薄くてよく伸びるトクホンというか、そういう感じのやつ。
 で、ワタシは「これはこういう風に貼ると簡単ですよ…」と、シップの貼り方をレクチャー。
 こういうものは裏紙が三分割になっている。で、細い真ん中の領域の裏紙をはがして、患部にあてがう。それから、体に沿うように残りの裏紙をそっとはがしてやるとキレイに貼れるのだ。
「ふーん、なるほどなァ。うめぇもんだなァ。こうやって貼るのかァ」
 あれ、これをもらうときにお医者さんで貼り方を教わったりしなかったんですか?
「イヤァ、これはあちこちの友達から、いーっぱいもらっちゃったのョ。
 ホレ、オレが何年か前、ガンで入院したことがあっただろ? その時にサ、たくさん友達がお見舞いに来てくれてサ、その時に『使ってくれよ』って置いていってくれたのサ。
 みんな年だから、身体のどっかこっか痛めてて、こういうシップをたくさん持ってるんだよナ。
 でさ、お見舞いの時に『コレ、使ってくれよ』って置いてってくれるのはうれしいんだけど、オレ、ガンだからヨォ、使う場所がないのよな。それで家にシップがいっぱい貯まっちゃってて、ナ。」


 友達がガンになっちゃったときに、直接力にはなれないんだけど、それでも何か力になってあげたくって、それでシップをお見舞いに持っていったオジサンたち。そんな友情。
 ちょっとズレてるから思わず笑ってしまったんだけど、それでいてなんだかホロッとする話だなぁと思った。