ーOOO-取手の団地に遊びに行こう!…取手アートプロジェクト2008

 芸術の秋ですな!
 アートなモノに敏感なフリがしてみたいワタクシは先日、取手アートプロジェクト2008というイベントに行ってきたですよ。
 これは、茨城県取手市のJR取手駅近くにある取手井野団地で開催されているアートイベントなのです。


 「えー? アートって、何よ? よくわかんないじゃ〜ん」
 そうですな。
 オイラも正直、よくわかんないです。
 で、とりあえず「なんだ、これは!」って気持ちが大事でー、
 えーと、
 えーと…?
 いや、まあ、いいじゃないですか。
 そんな感じで、お気楽に。

FUTON project」

 いろいろな展示物があるのですが、途方もなくヘンなのが土曜日限定の「FUTON project」。

◆「FUTON project」 佐藤未来

 使っている人の匂いやぬくもりが染みついている布団を、
 一斉にベランダに干してもらうプロジェクト。
 あなたものその目撃者になろう!

 ベランダに布団を干して、それが芸術、なの…?
 はい、これが芸術です!
 ベランダにズラーッと布団が干してあったとして、それは何も知らない人が見れば見逃してしまう、何でもない風景。
 でもこれが取手アートプロジェクトの一環の「FUTON project」だと知っていると、途端に「アートな風景」になってしまう…!
 これは「何でもない風景」なのか、「アートな風景」なのか?
 まあいいじゃん、なんかヘンでおもしろいよね!

足湯プロジェクト

 それから、あとおもしろそうなのが「足湯プロジェクト」。

◆「井野団地足湯プロジェクト」奥健祐+鈴木雄介

 団地の公園の横にある小さなこども用プールは、
 夏以外は閉鎖されていて誰もいない。
 そのプールを足湯に変身させることで、
 ひとときの間「季節はずれのプールに人が集まる風景」をつくる。
 無料で利用できる足湯が団地内の新しい憩いの場となる。

 いやー、無料の露天足湯ですよ!
 コレはワタクシ、体験して参りました!
 
 夕暮れ時に、煌々と光り輝く一隅が。
 
 行ってみると、まさにそこが足湯の会場でした!
 子供用プールに杉板を渡し、座る場所をたくさん作ってありました。
 最初は「せっかく広いプールをわざわざ狭くしちゃって、もったいないなぁ」と思ったんですが、でもコレ、この狭さが良いんですね。大勢で差し向かいで足湯につかって、お互いにワイワイ話し合うことが出来る。ちょっとした井戸端会議のスペースになっていました。
 団地の子供たちがすっかりマッタリしていて、ちっとも帰ろうとしない。
 芸術のワクを越えて、団地の住民のみなさんに喜ばれる施設となっていました。
 
 ワタクシも足湯でマッタリしたですよ。
 当時モニター中だったThinkPadSL500をかかえて足湯に入ってみました。結構楽しかったんですが、コレ、レノボさんはきっと面白がってくれないだろうなー、とも思いました…。
 
 で、このお湯をどうやって暖めているのかというと、お風呂の給湯器を何台も設置して循環して温度を保ち続けていました。コレ、結構な力業ですな。
 ちなみに足湯は18時までなので、行きたい方はお早めに。
 ってか、このイベントに来てこの足湯につからないのはもったいない! みなさんぜひどうぞ。

団地に潜む芸術作品たち

 えっと、イロモノっぽいアート作品ばっかり紹介したんですが、もちろんそういう作品ばかりではありませんよ。
 で、他の作品の紹介を。
 
 一見何の変哲もない公団住宅
 しかし、このどこかに点々と、芸術が潜んでいる…!
 この団地の空き室が、仮設のギャラリーになっているのだ。
 知らない団地を、地図を片手にさまよい歩く。自分自身はこの団地の完全な部外者なのに、堂々と歩き回り、侵入していく。
(もちろん一般の居住者の方々の邪魔や迷惑になるようなことはしてはいけませんし、作品設置場所以外の立ち入りは禁止です)
 

↑金沢寿美「1111さん」

 ここでいいのかな?
 ほんとにこの部屋に入っちゃって良いのかな?
 何度も地図を確かめる。
 不安に思いながら、ドアを開ける…。
 

↑金沢寿美「1111さん」

 …お邪魔、しまーす。
 玄関には靴、そしてコートが。(←この作品の場合、コレも含めてアートを成している)
 そして、その奥には驚きの風景が…。
 

↑金沢寿美「1111さん」

 さらに奥には、まだ別の…


 とまあ、こんな感じで各部屋にいろいろな作品があって、見飽きないです。
 知らない団地の中を地図を片手に歩き周り、ドアを開けていく…。
 コレ、なんつーか、ドラクエっぽい楽しさがありますな! ダンジョンの冒険のドキドキ感がありますよ!

芸術家のタマゴたちの暮らす村

 ほかにもいろいろあります。
 団地の中央部のインフォメーションセンター付近には、アーティストヴィレッジオープンスタジオというのがあります。
 
 もともと昔は団地の商店街だったと思われる部分なんですが、ここを芸術家の卵たちに一ヶ月間貸し出してアトリエとして使ってもらっています。ジャングルジムの向こう側の二階建ての建物がまるごと貸し出され、それぞれが独立したアトリエになっています。
 ちなみにジャングルジムの上のふわふわした風船もアートの一環。(オニワラボ×グリーン情報「PUBLIC FURNITURE for 井野団地 - coronet」)
 
 これなんか「制作中!」って感じでいいですよね。
 
 とにかくデカい!
 これから見学に行く方は、この写真と比べてどれくらい作品が進行したのか比べるのも楽しいのではないでしょうか?

まとめ

 そーいうわけで、今週末は取手アートプロジェクト2008に来てみてはいかがでしょうか?
 団地の中はけっこう広いので、歩き回っているとアッというまに1日つぶれます。日中しか開催していない展示もあれば、夜間のライトアップ系展示物もあります。
 会場内の歩き回りかたは、こちらの記事が簡潔で親切です。


 はるばる取手まで行ってみたけど「やっぱアートはよくわかんないや」と途方にくれちゃいそうなアナタは、キリンビール取手工場ゲストホールで同時開催されている「KIDS PROGRAMー800人のいちねんせい『あー、いいにおい』」という展示を見てきてはいかがでしょうか?
 んでついでにビール工場見学をして、最後に「できたてビール」を飲んでみちゃってはどうでしょう?


 取手アートプロジェクト2008は入場無料、会期は今週末の14日(金)〜16日(日)までなので、興味のある方はお早めにどうぞ。