ーOOO-千里の道も一歩から…マラソンフェスタ2009

 先日書いた「ゼロからのマラソン完走」講座の続きです。
 前回は主に姿勢の話と実際のマラソンについての話でした。
 で、今回は練習の話からはじめます。

日常の練習 … 千里の道も一歩から

 マラソンの練習と言うと、とにかく毎日走ることが必要なのかと思う人も多いでしょう。
 しかし、無理に毎日走る必要はありません。
 たとえばニッポンランナーズ(←ざっくりいうと、リクルート陸上競技部を前身とする陸上のクラブチーム)では、土日は練習するけれど平日は1日しか練習しないメンバーも多いですが、それでも3時間20分くらいで走る人が多いです。
 こういう人はどうしているかというと、走る量は少ないかわりに、毎日の生活スタイルの中に自分の体を動かす何かをとりこんでいます。
 たとえば通勤のときに、電車に乗りつづけるか、途中で降りて4キロ歩くか。こういう違いの積み重ねが大きいのです。
 片道1キロのコンビニやスーパーまでの買い物のときに、車に乗るか、歩いていくか? ついつい車に乗りたくなりますが、体を動かしてみましょう。


 ところで余談ですが、買い物のときに環境を気にしてエコバックを使う人もいるでしょう。
 ここで、片道1キロのお店に車で買い物に行くと、そのとき排出される二酸化炭素の量は、ビニールバック5枚分と同じだと言う話です。
 いくらエコバックを使っていても、車で買い物に行っちゃうと、意味がなくなっちゃうんですね。


 さて、初心者の皆さんにありがちなのが、まじめに練習しすぎて無理をしてしまうことです。
 ガムシャラに根性で走っても、体を痛めつけるだけです。運動と栄養と休養のサイクルを意識してください。
 ランニングは勉強と違って、一夜漬けとか詰め込みが効きません。コツコツと毎日積み重ねていきましょう。


 ここで東京マラソンまでの4ヶ月間をどのように過ごすか、スケジュール表による説明がありました。
大まかに言って、

  • 第1クール
    • 週のうち、平日1-2日と土日の練習を習慣化する
    • 10分walk+20分jog
    • 最後に100分or15km走れるようになろう!
  • 第2クール
    • 週のうち、平日の練習をボリュームアップする(無理の無い程度に)
    • 30分-45分jog
    • 最後に20km走れるようになろう!
  • 第3クール
    • 週末に120分walkや120分jogを取り入れる
    • 最後に25ー30km走れるようになろう!
  • 第4クール
    • 練習のペースを落とし、体をやすませる
    • いよいよ本番!


 もっと細かい計画表を知りたい方は、ニッポンランナーズ代表の金哲彦さんの著書、「金哲彦のランニング ダイアリー」をご覧ください。

 ってか、上記のMouRaのサイトはすんごい充実してますよ! 体の体幹を使った「体幹ランニング」のメソッドが紹介されているので、興味がある方はご一読ください。

初心者Q&A

 講義の最後に、事前に寄せられた質問と、その答えを。

Q) ヒザやコシが痛くなる

 これは、姿勢が悪いです。
 まずはまっすぐに立つことです。そして、それを走っている最中も意識し続けること。
 疲れてくると姿勢が悪くなってきて、それがヒザやコシの痛みを引き起こすという悪循環が起こります。

Q) おなかが痛くなる

 走っていると上下に衝撃がくりかえされます。
 内臓や臓器を保護する筋肉が発達していないので、これがゆすぶられることでおなかが痛くなります。それから、肺を動かす横隔膜が上下するので、これも原因になります。
 体幹に意識をして、衝撃が直接体に伝わらないように、体の内臓がゆすぶられにくいように走ることが大事です。

Q) 肩が痛くなる

 呼吸と肩甲骨に意識をしましょう。
 息を吐くと、背中が丸まって、肩が下がります。
 背中が丸まったまま走ると息を吸うことが出来なくなりますし、姿勢が悪いので体に負担が出ます。
 息を吸うと、胸がひらいて、肩が上がります。
 この胸を開きっぱなし、肩が上がりっぱなしというのも良くありません。息を吸いっぱなしでもだめです。吸った空気を吐きださなければ、新しい空気を吸う事が出来ません。
 ひじを後ろに振って、肩甲骨を動かし、きちんと呼吸しましょう。

Q) 筋肉のけいれんをおこす

 準備運動が足りないか、オーバーペースで走っているかどちらかです。
 まず筋肉が温まるようなウォーミングアップをしてからストレッチを行いましょう。

次回予告

 思ったよりも長くなっちゃって自分でもびっくりしてますが、レポートは続きます。
 次回は「謎のTOKYO体操とは何か!?」みたいな話をしようかなぁ、と思ってますです。