ーOOO-ひとなつっこいネコ
もこもこした冬毛で、まるまるとしたネコが、ぽとりと道端に。
ひなたぼっこが気持ちいのか、うとうとと。
あんまり警戒してなかったので、近づいてケータイで撮影。
緊張感がないとはいえ、それでもやはり見知らぬ他人には心を許さない感じ。
腰を下ろして、のんびりとネコのそばにいることにした。
時間をたっぷりととったら、ズームなしでもコレくらいまで近寄って撮れた。
「良い写真を撮るには、とにかくネバることです」なのだそーな。
これはこのあいだ、林さんから聞いたお話。
「コレは僕のセリフじゃなくて、「はっちゃん」のハニさんから聞いたんですけど。
つまりね、パッと撮るんじゃなくて、じっと待ってればネコが心を許してくれて、こっちをむいてくれたり、面白いしぐさをしてくれる、と。
で、これはネコの写真に限った話じゃなくて、ちょっと目の前のヒトが通り過ぎるのを待つとか、あるいは自分の影が写真に写りこんじゃうから太陽が動くまで待とう、とか。
みんなネバらないでパッと撮っちゃいがちですけど、どうもそういうことが大事みたいなんですよ。」
そういうわけで、ワタシはのんびりと時間をかけて写真を撮ってみた。
観光客のおばちゃんが
「まあ、見て、人懐っこいネコだねぇ」
「よくなついているネコだねぇ」
と言いながら、通り過ぎていく。
別にこのネコが人懐っこいわけじゃない。
オイラが勝手にネコにじゃれついているだけだ。
それが証拠に、ネコは不意にぐいーっと気持ちよさそうな背伸びをして、振り向きもせずに去っていった。